黄昏

□ある日の御使台
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「ΣΣあぁもう、何でこんなに書類があるのよ〜!!!!!」

御使台に威勢のいい声が響く。
今日も声の主、紅秀麗は大量の書簡に埋もれていた。

「ねぇ、お嬢さん。そろそろお昼にしない?もう俺、腹ペコペコなんだけど」

と、タンタンこと榛蘇芳
は仕事をほっぽりだし、秀麗の後ろで「お昼〜!ご飯〜!!」と喚いている。

今はその時間さえも惜しい…

「はいはい、分かったわよ。じゃあ、タンタンお茶いれて?」

そう言うと「了解〜」と蘇芳はお茶を準備し始めた。
ここに来てからろくに休憩もなかったのだ、無理もない。
蘇芳はお茶を運んでくると秀麗の作ってきたお弁当に手を伸ばし机に広げると、

「今日の弁当もうまそう!!いっただっきま〜す♪」

とパクパク食べ始めた。

「ふふっ、ありがとう」
といいながらお茶をすする。





「…そういえばさぁ、今日まだセーガ君来てないね」





「……いやぁ〜!!ΣΣタンタン、何てこと言うの!」

「いやー、なんとなく?」

「なんとなくでそんなコトいわないで!!あの蛾男が来たらどうすんのよ〜!」















「…呼んだか?」

と、扉の前に寄り掛かり、面白いとばかりに笑みを浮かべた陸清雅がいた。

蘇芳は少しばかり後悔した。

「―っ、何であんたがここに!!しかも誰もあんたなんて呼んでないわよ!!!!」

「ふん、まぁどっちでもいいがな」

そう言うと弁当に手を伸ばし、おかずを一つ口に運んだ。

「…まぁまぁだな」

「Σちょっと、何かってに食べてんのよ//あんたに許可した覚えはないわよ!」

蘇芳は冷たく飛び散る火花を見るとそそくさと弁当を食べ終わり、机の端に避難した。

「…やっぱこえーよι」

蘇芳の呟きも二人には聞こえない。

「…用がないならさっさと帰って貰えないかしら!?あんたと違ってこれから残りの仕事をやらなきゃいけないの!!!!」

「へぇ、そうか。せいぜい頑張りな、新人さん」

清雅は弁当を食べ、秀麗を怒らせ満足したのか、そう言って微笑みを残し去っていった。


「おじょ…」
蘇芳が声を掛けようとすした。すると、












「……タンタン?今度からは清雅の話は一切禁止にしましょ??」

ニコッと笑ってはいるが、目が全く笑っていない。

蘇芳はコクコクと首を縦に振って一言

「……ハイι」

怖い、怖すぎる。あろうことかお嬢さんがタケノコ怪人に見えるなんて。
もう、絶対止めよう。





…その後、二人は仕事を再び始めたが蘇芳は機嫌の悪い秀麗に声を掛けられず、仕事が終わった夜中まで一切休憩はなかったと言う。


〜end〜


→あとがき
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