黄昏
□勝負
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今日は貴陽城下で大きな祭りが行われる。
そんな中、紫州の紅邸から少女の声が聞こえてきた。
「これで良しっと///」
淡い紅い衣を身に纏い、王より下賜された蕾を髪に差し込んだ。
「こんなもんかしらね」
「とってもお似合いですよ。お嬢様//」
紅家家人 シ静蘭は、にこっと微笑んだ。
「そお??ありがとう、静蘭///―でも、残念ね。静蘭も一緒にお祭りに行けたら良かったのに…」
と、少女、紅秀麗は残念そうな顔をした。
「仕方ありませんよ////これだけ大きな祭りですからね。お嬢様や町の皆様に安全に楽しんで頂けるようにするための警備なんですから///」
「そうよね//…あっ、そうだ!!静蘭、お弁当作ったから持ってって!?」
そう言って秀麗は紅い布で包んだお弁当を持ってくると、静蘭に渡した。
「ありがとうございます///それでは行って参ります!」
静蘭は嬉しそうな顔で仕事場へと向かっていった。
「おや、静蘭はもう行ってしまったのかい??」
背後から声を掛けたのは秀麗の父、紅邵可だ。
「ええ、お仕事ですって」
「武官も大変そうだね。…秀麗ももう行くのかい???」
「うん!!でも、本当に行かないの??父様」
「ああゆうのは苦手でね。楽しんで来なさい、秀麗///」
「わかったわ//行ってきます!!父様」
「行ってらっしゃい」
そうして、秀麗は祭りへと向かって行った。