夢小説
□キオク
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今日は、貞治との3回目のデート。
貞治とは、幼馴染で…
先月、やっと私が告白して付き合い始めた。
━━━━…‥
「遅いな〜。貞治…」
今は、私の家が駅の近くに引っ越してしまったから、駅で待ちあわせをしている…んだけど……
来ない…(怒)
まさか、また新作野菜汁とか作ってるんじゃないでしょうね……(汗)
それから暫く待ってるんだけど…一向に現れない。
さすがの私も心配になって、ケータイに電話してみた。
『もしもし』
電話に出たのは、貞治じゃない男の人。
…誰…?
「…貞治は…?」
『この人の、お知り合いですか?』
……え?
この人…って何……?
「さだはる……?」
何か…あったの……?
『貞治と言うのですか?この青年は…』
……青年…(汗)
まだ15歳だっていうのに…(汗)
「乾貞治です。彼がどうかしたんですか?」
…イヤな予感がする…
『実は、この電話の持ち主は、事故に合って…』
体中の血の気が引いていくような感覚を覚えた────
サダハルが…事故……?
……いけない…
とりあえず、私がしっかりしなくちゃ…!
「それで、貞治は、今何処にいるんです!?」
『青春台駅近くの救急病院です』
「すぐ行きますっ!!」
それだけ言って電話を切り、私は走った。
走るのなんて、かなり久し振りだけど…
貞治……!!
━━━━…‥
「貞治っ!!!?」
病院に着くなり、私は貞治の名を呼んだ。
「あなたが先程の電話の方ですね?」
一人の男性が近寄って来た。
「…はい。##NAME2##と言います」
この人は何者なんだろう…?
白衣を着ていないから、医者ではない…。
かといって、慌てた様子もないから、加害者でもないだろう…。
「私は刑事ですよ」
私が不思議そうな顔をしていると、その人が言った…。
刑事…?
でも、何で刑事さんが……?
ただの事故じゃないの………?
「実は、貞治さん…でしたか。彼が車に跳ねられたのですが、どうも相手の車が逃げたらしいのです」
「……!?轢き逃げ…ですか!?」
そんな…ッ!?
何で貞治がそんなメに…ッ!!
「そ、それで、貞治は…」
「意識はまだ戻っていませんが、命に別状はありません」
刑事さんの後ろから、白衣を着た男の人が言った。
お医者さん…だよね?
「あ、ありがとうございますっ…」
とにかくよかった…。
貞治が生きてくれていて……。
「あの…貞治についていたいんですが…」
「えぇ。構いませんよ。傍にいてあげて下さい」
「はぃ」
私は頭を下げて、貞治のいる病室へと入って行った。
「貞治…」
よかった…生きててくれて…。
私はゆっくりと眼を閉じ、一筋の涙を流した。
──コンコン──
「あ、はぃ」
私が返事をし、立ち上がったら、青学テニス部のR陣が入って来た。
「ぁ…」
一応、私はこのメンバーには面識があった。
「##NAME2##…乾はどぅ…?」
「…うぅん。意識はまだ」
「そぅか…」
みんな…心配して来てくれたんだね…。
「ありがと…みんな」
━━━━…‥
それから私は毎日、病室へと通った。
「こんにちは」
「あぁ。##NAME2##ちゃん。いつもありがとうね…」
出迎えてくれたのは、貞治のお母さん。
「イエ」
私は貞治に近寄った。