旅の仲間
□「後悔は、してません」
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「フロドはいないが、メリーとピピンを救ってやろう。名無しさんが目覚めたらすぐに出発する。
それまでに用意をしておけ」
アラゴルンの言葉で一同は準備を始めたが、そんなに時間がかかるわけでもない。
終わったものは時間を持て余していた。
気を失っている名無しさんのそばに腰掛け、彼女の頬にそっと触れるボロミア。
「名無しさん…すまないな、俺のせいで……」
「ボロミア。過ぎたことを悔やむな」
「しかしアラゴルン……
名無しさんは本当に大丈夫なのか?ただの魔法の使いすぎではなかったら…?」
「大丈夫だ。名無しさんはどこにも傷を負っていない。魔力の使いすぎで間違いないだろう…。
いずれ目を覚ます」
断言されていくらか安心しているところに、レゴラスの大声が飛び込んできた。
「大変だ!!」
「いったい何が起こったんだ?レゴラス」
レゴラスはアラゴルンの問いには答えずに言った。
「これを‥‥‥‥」
何故だか顔色が悪いレゴラスが差し出したのは、名無しさんが持っていたあの純白の魔法書。
開かれているページは名無しさんが開いていたままの『アレイズ』という魔法の説明が書かれている。
「この本が何だって言うんだ…?」
「下の方」
レゴラスが指差したところを目でなぞり、知りたくもない事実を知らされる。
「「「これは……!!」」」