旅の仲間
□「夢‥?」
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「…名無しさん……名無しさん…!」
誰かが私の名前を呼んでいる…?
だんだん意識が浮上してくる名無しさん。
目を開けたそばから、信じがたい光景を目にする。
「…んっ……ええっお父様!?」
何故かこちらの世界に戻って来ていた。
「名無しさん、やっと目覚めたか!心配したんだぞ?」
とりあえず、父に聞く事にした。
「お父様、私一体…?」
名無しさんの意図を察した父はすぐに答えてくれる。
「なかなかパーティー会場に戻らないから心配して見に来たら部屋の中に倒れていたんだ。
疲れたんだろう。
今夜はもう休んでいい」
じゃあ、と部屋を出て行く父親を理解出来ないような表情で見つめながら名無しさんはベッドから身を起こす。
「夢…?」
ひとしきり呆然とした後、名無しさんは呟いた。
「そっか…ガンダルフが言ってたわね。」
そなたはサウロンの力で中つ国に召還されている。
しかし、サウロンの力はまだ完全ではない。
力が足りなくなりお前を元の世界に返さざるを得なくなった時、こちらとあちらを行き来する事になるかもしれない…と
「あっははー!サウロンったら力足りなくなったの‥…きゃははははっ。いい気味っ!」
‥‥‥‥‥実に呑気なお嬢様である。