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□昔の僕、今の俺
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ザァーーー



「(寒いよ…お腹空いたよ…)」


そう思いながらも、雨の中鳴くことしか出来ないダンボールに入った子犬の僕。


そんな僕に近づく1人の男の子。



?「お前、捨てられちゃったの?…こんな雨降ってんのに。寒いだろ?」



そういいながら僕をダンボールからだし、抱きしめてくれた。



犬「…キャンキャンッ」



?「よしよし、俺んち行こうな!!」



僕はよく分からないまま、この男の子の家に連れていかれた。







――ガチャッ



?「わんちゃん、ここが俺の部屋だ。今食べ物持ってくるからいい子で待ってろよ?」



そういって出て行った男の子。



僕は周りを見回してみた。



黄色くて僕より少し小さいボールが落ちていた。



気になったから近づいて、恐る恐る前足で触れてみた…



ちょうど触れたのと同じタイミングで男の子が戻ってきた。



ビックリして飛び上がった僕。



そんな僕に笑いながら近づいてきた男の子。



?「これはテニスボールってゆうんだぜ!!俺、テニスやってんだー……っと、おいわんちゃん、食べ物持ってきたぜ」



男の子の言う【テニス】にはあまり興味がなく(というより分からないので)、お腹が空いてた僕は食べ物に一直線で向かった。



?「おー、すげー食いっぷり。食べ終わったら風呂入るからなー!!」


 
 
 
 
 
 




食べ終わったあと、男の子と一緒にお風呂。少し怖かった。



お風呂から上がったら、僕の体をタオルで拭いてくれた。……痛いくらい強く。



その後、男の子と一緒にベッドに入る。



?「そういえば、名前教えてなかったな。俺は亮、宍戸亮だ。覚えとけよ、わんちゃん」



男の子はそう名乗った。



男の子…亮くんが寝たあと、僕は神様に祈った。



「(神様、僕はこの優しい亮くんに恩返しがしたいです。でも犬のままだと何も出来ません。
お願いします神様、僕を人間にしてください…。)」







――いつの間にか寝ていた僕。



ふとベッドの横にある大きな鏡をみると、僕は人間になっていた。




…ビックリ。
僕、美少年じゃないか。

いやいや今はそんなこと言ってる場合じゃない。



僕の隣にはスヤスヤ…というよりグースカ寝てる亮くん。



ベッドから静かに降り、机に向かう僕。
亮くんに手紙を書くためだ。




「…命の恩人亮くん、昨日はありがとう。今の僕には何も出来ない…だけど、いつか必ず恩返ししにきます。それまで僕を忘れないでください。僕の名前は長太郎。覚えておいてください。ありがとう亮くん。」




手紙を寝ている亮くんの横に置き、僕は部屋をでた……―――








 



 
―――――


『へぇー!!長太郎くんって元わんちゃんだったんだ!!』



鳳「そうなんですよー」



宍「…いやいや、まて長太郎!!話作ってんじゃねー。まず俺は犬拾ったことねぇよ;」



鳳「………ちっ(舌打ち)」



『えっ、今までの全部嘘なの!?』



鳳「あーあ、宍戸さんが言わなきゃ蘭先輩信じてたのにー」



宍「……;;(長太郎、性格変わったな;)」



『なんだー、小さい頃の宍戸くん可愛いとか思ってたのにー』






……ある日の部室でのお話しでした。



END


09.06.26

 

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