*唄詩置場*

□唄詩◇◆参◆◇
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◆◇夕暮れから 日没まで◇◆

浮かび上がった マンションのシルエットが 闇に溶けた
空を分かつ 一本の電線も 黒に消えた
それならば
地に立つ 一つの心臓を持つ生き物も 闇に消えるか

走ることしか出来ない俺には・・・

沈み続ける 今も波の中 いつの間にか貝になった
所詮砂の城 蟹の家 明日には胃袋へ 小さな魚よ
それならば
地を這う 二本の腕を持つ生き物も 明日には消えるか

ゆらめく 無数の雲達 ほらまた形を変えた
哀しく雨を作る 地面に堕ちてく 痛みはどれくらい?
それならば
この形の無い 人間と名の付く生き物は 何時、堕ちる?


闇に消える事は怖くない
堕ちることだって怖くは無い
泣く人なんて居ないさ 寂しい人は居るかな・・・

結局はエゴで生きてんだって 今更気付いても遅かったかな
周りに合わせたくて 必死に背伸びして 愛想を覚えた頃からは・・・


消える事は怖くない
でも 多分今の俺には
引き止めてくれる 人間が居る
エゴでもいい そう信じたい 

そう 信じたい
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