ポケモン

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「着いた…!」
肩で呼吸をして、研究所の扉を開ける。
すると、中には沢山の人が集まっていて、一同の視線がチヅルに向けられる。
それを横切って、チヅルはなんとかオーキド博士の元へ。
チヅルに気がついて集まっていた幼なじみのユウタと、もう一人見知らぬ少年がこちらに振り向いた。


「遅いぞチヅル、待たせんな」

「ごめんね、ユウくん」

「ユウくん言うな!」

「……………………」


「まぁまぁ、ケンカはこのくらいにして、よくきたな、図鑑所有者に選ばれた子供達よ」
咳払いをして、オーキドが持ち直した。
その言葉に、三人は真っ直ぐオーキドの方を向いた。

「君達は図鑑所有者テストをトップ3で合格した。それを称えて…」
オーキドは布の掛けられた机の方向に行き、布を取る。

「旅のパートナーを授けよう」
三つのモンスターボール。

「チヅルが最初に選べよ、俺は大人だから先に選ばせてやる」

「僕は、最後でいいです」

「じゃあお言葉に甘えて……」
三つのモンスターボールの前に行き、一つを手に取る。

「私はこれで」
左のモンスターボール。

「じゃ、俺はこれだな」
ユウタは真ん中のボールを手に取る。

「…僕はこれ」
右にあるボールを手に取る少年。

「それと、メインのポケモン図鑑じゃ」
三つの赤い機械をそれぞれ受け取った。

「さぁ、図鑑に選ばれた物よ、このポケモン図鑑に沢山のポケモンを記録して、全国図鑑を作るのじゃ」
オーキド博士の言葉に、狭い研究所に集まったマサラの住人がワッと盛り上がった。

「チヅル、ユウタ、タイキよ。長く険しい旅になると思うが、気をつけるんじゃぞ!」

「任せなじいさん、俺が全国図鑑を完成させてやる。残念ながらチヅルとそこのチビちゃんには出番はないぜ!」
アデュー、と言うと、ユウタは研究所を去って行った。

「チヅルさん」
ユウタの皮肉をを無視して、少年、タイキがチヅルに話しかけてきた。

「これからよろしく、僕はタイキ」

「私はチヅルです。ユウタくんはあんな事言うけど、ホントは凄くいい人なの。嫌な思いさせちゃってごめんね」
タイキは首を静かに横に振った。

「気にしてないから」
それだけ言うと、オーキドとチヅルに頭を下げ、タイキも研究所去って行った。


「じゃあ、私も行ってきます」

「おおー、気をつけてな」
チヅルはオーキドに頭を下げると、研究所を後にした。















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