ギャラリー

□神様の赤ちゃん
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ここは冥界


不機嫌な王を前にして静かな安息な日など無い


いつも執務室から王の怒鳴り散らす声など騒がしい声が聞こえて来る


だが今宵の声はいつもと違った声だった




「どうしよう?!」


「落ち着け!まだ周囲にバレてない!こんな時は…」


慌てるパニックを前にして口を塞ぎながら何やら考えこむペイン


「こんな時はどうするんだ?」


「ねぇ、そこの二匹…ハデスを見掛けなかったかい?」


そうパニックが言いかけた時、呼ばれてギクッと鈍い音と共に同時に振り向いた先には悪の女王マレフィセントが立っていて二匹を見下していた


「一体…こそこそ隠れて何をやってるのさ?」


もしかして危ないことじゃないだろうね?とマレフィセントの微笑みに二匹は青ざめた


「あー」


と二匹の後ろから微かな音がしてそれにマレフィセントは目を丸くした


「今…何か声がしなかったかい?」


「いえ!何にも!」


「そうです!あ、ボスならあっちの部屋に…」


「嘘お言いで無いよ、私の耳はただの飾りじゃないよ!」


慌てる二匹を前に杖で退けるような仕草をしながら…


「そこをお退き」


言い放ったその言葉に二匹は震えながらも観念したかのように脇へと寄った


「おや…?」


そこには赤ん坊らしき者が居て頭には見慣れた青白い炎が灯っていてそれにマレフィセントは思わず声をかけた


「ねぇ…もしかしてあんた…ハデスかい?」


名前を呼ばれた途端返事するかのように振り向き、マレフィセントと目が合った途端その物体の目が輝き、嬉しそうな表情でハイハイしながら寄って来た


「あーあー」


「これは一体どう言うことなんだい?」


と振り向いた先に二匹の姿は無かった


(あいつら…逃げたね…!)


「あーあー」


この私から逃げ切れるとも思っているのかい!?と憤慨するマレフィセントに赤ちゃんハデスが足元まで近寄って来てマントを掴み、引っ張った


「およし、あんたはここにいな、今あんたの部下を探してくるから…」


それにマレフィセントは毅然とした態度でマントを引っ張り寄せて、部屋を出ようとドアに向かおうとしたが…


「あーあー」


必死にはいはいして来て追いついた赤ちゃんハデスに再びマントを掴まれ、引っ張られた


「あーあー!」


「おやめ、こんなことをしてる暇は無いんだよ」


と再び引っ張り寄せようとしたが負けずまいと必死に布の端を握って離さない赤ちゃんハデスにマレフィセントは観念したかのように…


「やれやれ…仕方のない子だね、まあいいさ当分預かっておくれ」


とマントの留め金を外し脱ぎ捨てたのに赤ちゃんハデスの表情が一変した


「ん…?」


赤ちゃんハデスの目が潤み、自分へと必死に手を伸ばしながら声を出すそんな姿にマレフィセントは眉間にしわを寄せた


「少々の辛抱だよ!泣くんじゃないよ…泣くんじゃ…」


「ま"ま"ぁ…あ”――!」


そのまま、泣きだしてしまいマントに顔を埋める赤ちゃんハデスにマレフィセントはため息を付き、赤ちゃんハデスを抱き上げた


「全くもう…しょうがない子だね…男の子の癖にそんなに泣くんじゃないよ…」


そのまま抱き締めてあやすこと数分…幾分か落ち着いて来たのかうとうと…と首を傾げて来た赤ちゃんハデスに


「やれやれやっと眠ったかい…」


ホッと胸を撫で下ろしそーッと椅子にへとおろそうとしたが…


「うあ…あーッ!あー!」


後、一歩と言う所で目を覚ましたハデスに指を掴まれ、指輪を取られた


「あっ!およし!そんな物口の中に入れるんじゃないよ!」


そのまま指輪をしゃぶられ、必死に指輪を取り返そうと躍起になり…


「この…お返しって言ってるだろう!!」


無く子も黙る世にも恐ろしい苛立ちの表情で迫ったマレフィセントにハデスの目が潤んだ


(…あ、ヤバい!)


そう思ったのも後の祭りで再び泣き出してしまったハデスにマレフィセントはがっくりと肩を落とした


「ヴああー!」


「………」




続きますw(笑)

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