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□グッバイマイディスティニー
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「これで、最後だ」
●グッバイマイディスティニー●
「ねぇ、好きな人といると胸がドキッてするって知ってた?」
「てめぇ、ついに頭沸いたか?」
ストローを炭酸の泡が昇っていく。
水の中から逃れて、空気に溶けるそれは何だか虚しい。
「そんなことないよ、乙女心じゃん」
「ああそうかい。」
「バーダックは私といるとドキッとする?」
「生憎、ガキには興味ないんでね」
「ひどいなぁ」
クスクスと笑う女の未来は、見たくもねぇし見ようともしない。
カランと音をたてて氷が崩れると、先程の泡は弾けて消えていった。
その瞬間、バンダナが、ぎちりと締まった気がした。
「行くの?」
「あぁ」
「頑張ってねー、マイダーリン」
「へっ…ふざけんな」
一回くらいハニーって言ってよ、なんてほざく女の額に軽く口付けてやった。
ぽかんと口を開けている。
「ドキッとしたか?」
「う、うん!」
何度も大袈裟に頷くのをみて、不思議と高ぶった気分が落ち着いてくる。
泡が空気に溶けるように、じんわり気持ちに染み込む顔だった。
「俺が帰ってきたときに、」
「うん」
「ドキッとさせてみやがれ」
今は、守るための戦い