作品2
□後半
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51 貴方は受け? 攻め?
「…………」
「…………」
「……プロシュート」
「あ?」
「一つ聞いていいか?」
「おう。なんだ?」
「俺は今なぜ殴られたんだろうか」
「次の質問が出てるっつーのにいつまで経っても止めねえからじゃあねえのか?」
「口で言ってくれてもよかったんじゃあないかと思うんだが」
「お前が塞いでたのに?」
「(唸るとかタップするとか手段はいくらでもあったんじゃあ……)」
「んなことよりリゾット。これ見ろよ」
「ん。……なんだ? 急に画面の色味が変わったな。ピンク基調で目が痛い」
「こっから先はよりディープな質問に移ってくんだと。それに合わせでもしてるんじゃあねえのか?」
「なるほど」
「ったく面倒くせえ。残りもさっさと終わらすぜ」
「了解。じゃあ手っ取り早く答えるが、俺がいわゆる"攻め"のほうだな」
「…………」
「ん? どうした」
「……お前、意外にそういう用語知ってんのな」
「勉強したんだ。男同士というものに前知識がさっぱり無かったからな。色々と常識を頭に入れておこうかと思って」
「(その前にこういう関係自体非常識なんだけどな……)」
52 どうしてそう決まったの?
「最初にプロシュートに"襲われた"ときに」
「おいテメェ。人聞きの悪いこと言うなよ」
「嘘じゃあないだろう」
「ま、そうだけどな」
「誓って言うが、俺はそこまでお前に求めようと考えたことは一度もなかったんだ」
「って、未だに言い張るよなあお前」
「言い張っているんじゃあない。事実だ。精神的な繋がりがあればいいと思っていた」
「なこと言って、拒否った覚えあるかよ?」
「求めないことと、求められて嬉しいこととは全く違うだろう」
53 その状態に満足してる?
「満足してねえ。……っつったらどうするよ? リゾット」
「俺に出来る限りの改善はするつもりだ。そのためにまずは何をすれば満足するか聞くかな」
「なるほどそう来たか」
「負担をかけている自覚はあるんだ。だが、恥ずかしい話、具体的に何をすればいいかが思いつかない。だからもし何かあるなら言ってほしい」
「俺に? 具体的にどこ触られたら満足かとか何言われりゃあ負担が和らぐとか、そういったことを聞き出してえわけかオメーは」
「…………」
「……おい、何目ェ丸くしてんだ。まさか天然だったのか今のセクハラ発言は」
「…………」
「おいこらテメェなに『それはそれでいいかもな』って顔してやがんだ冗談じゃあねえぜ絶対言わねーからな俺は」
「……残念だ」
54 初エッチはどこで?
「俺の部屋だったな」
「お前がだいたいあそこに引きこもってやがるからな。ちょっかい出しに行くときはだいたいそこって決まってる」
「ちょっかいなんて可愛いものだったか?」
「可愛いもんだろ、別に喧嘩売りに行ってるわけじゃあねーし」
「まあ、そう…………と言われればそうな気もするが……」
「細かいことは気にすんなよ。お前だってイイ思いしたろ」
「そこは否定できないが」
55 その時の感想を・・・・
「なかなか斬新な経験だったぜ、最中は。それなりにダメ出しはくらったが、俺の技術に感心したような事も言われたし、次はメローネとやってくるように指示も受けた」
「……言ったな、そういえば」
「ちなみに全部仕事の話な。前日の任務の報告をした後だったから、その件について色々と」
「何を話せばいいかわからなかったんだ」
「そこで仕事の話選んじまうところがお前だよなあ」
「お前だって普通に話を続けるんだからお互い様だと思うぞ」
「あんまりシュールなもんだからツッコむ暇もなかっただけだ。っつってもツッコまれはしてたけどな俺」
「(下ネタに年季が感じられるな……)」
56 その時、相手はどんな様子でした?
「いやもう、スゲーもんおっ勃てながら真顔で真面目なこと話すもんだから、さすがの俺もビビッたぜ色々と」
「そうか? 終始余裕そうに見えたが。俺と違って」
「……は? お前余裕なかったのか? アレで?」
「当たり前だ」
「……アレで?」
「?」
「…………わっかんねえなあ、お前はやっぱり。底が見えねえ」
57 初夜の朝、最初の言葉は?
「あー……、『お前、よく待ってたな』……だったかな?」
「ああ、そうだ。終わったらプロシュートを置いてとっとと仕事なり飯なりに出てると思っていたらしい。心外だ。あそこまで信用が無いとは思わなかった」
「ハハハ、悪かったっつーの。実際、そこに関しちゃあお前に一切の信用がなかったからなあ、普段のお前を知っていりゃあなおさら。ワーカーホリックでショートスリーパーのお前が、まさか俺が惰眠を貪ってる間ずっとベッドで待ってるとは思わねえって」
「……心外だ」
「つっても、慣れちまった今じゃあそこそこやるじゃあねえか。俺が起きたらお前、リモコン弄ってるしよ」
「(パソコンと言いたいんだろうか……)」
「んで、お前は『当たり前だ』だったか?」
「なにが」
「だから最初の言葉だって」
「ああ。……ああ、最初の」
「合ってんだろ?」
「…………」
「……違ったっけか?」
「…………。お前は寝ていたから」
「あ?」
「聞こえていなかったんだろうが、……まあ、それなりに、初夜の朝に相応しい言葉は、言っていた。実は」
「…………へえ?」
「"愛している"と、考えるでもなく息をするように言葉が出てきて驚いた記憶がある。そこで満足したものだから、……そういえばお前が起きた後は何も言ってやれなかった」
「…………」
「…………」
「……とりあえず」
「…………ッ! ?」
「褒められとけ(ぐしゃぐしゃぐしゃ)」
「(の、脳が揺れる……)」
58 エッチは週に何回くらいする?
「んー? 何回だっけなあ、リゾット」
「回数は……そこまででも……」
「ま、サルほど性欲旺盛なわけじゃあねえしな。セックスでしか愛情を確かめられねーほどガキでもねえ。どっちかっつーと月に何回かってほうが正しいよなあ。おいリゾットお前、あんまフラフラ動くなよ髪直してやってんのに」
「すまん、三半規管がやられて……」
59 理想は週に何回?
「今に不満はねえし、増えても減っても別にって感じだ。よし直ったぜリゾット」
「……グラッツェ。俺も不満はないな。お互い好きなようにやっての今の状態だ」
60 どんなエッチなの?
「……普通?」
「まあ、普通だろう。性別は別として」
「逆に普通じゃあねえセックスってどんなのだ?」
「…………スタンドを使ってみたり?」
「はあ? スタンド同士を?」
「そっちか」
「しかねえだろ。俺らの能力使ったところで血を見る結果にしかならねえ。……あ、SM?」
「どっちがMを?」
「……どっちもSだなそういや」
「(自覚はあったのか)」
「っつーことはやっぱスタンド同士で」
「…………俺のメタリカはどうしようか」
「…………悪い、それを言うんなら俺のグレイトフル・デッドも向いてなさそうだな。下半身ねえし」
「いや待て、諦めるのはまだ早い。まずはなんとか俺のメタリカを集めて大きな1体の近接パワー型に……!」
「っつーか何の話だよこれ」