作品
□後半
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【51 貴方は受け? 攻め?】
「攻めってタチのことだろ? そんなら俺がそっちだな」
「……初めに『くだらない質問』は『許可しない』って言っておいただろ」
「まぁまぁ、いいじゃあねえの。今は……五十一問目か。ちょうど半分来たところだ。こんな機会滅多に無えんだからよ、この際お互い明け透けに話してみようぜ?」
「…………。……わかった。」
【52 どうしてそう決まったの?】
「そりゃあ、身長も体格も歳も経験も俺のほうが上だったからなァ。そっちのがいいだろって事になったんだよ。っつってもやっぱり最初の頃はさ、イルーゾォ自身、自分はオトコだって自覚が強かったもんで色々あったけどよ。だって初めてイルーゾォの部屋にお呼ばれしたときなんか、俺こいつに押し倒されたんだぜ? 俺はこういう意味であんたの事好きだーって」
「だ、……だって、に、二週間も進展ナシだったし、最初のキスだって俺からだったしさ……もしかして好きの意味履き違えてるんじゃあないかと……」
「俺だって色々考えてたんだよ、お前にどう切り出そうかってよ。っつーか、あん時はヤるヤらない以前に気に入られようと必死だったわけ。昔嫌われてたぶん余計にな。チャラい感じが嫌だろうからって無理に紳士気取ってよ。実際のところムラムラしまくってたわけだが。……いやー、しかしまさか俺をネコとして見てたとは思わなかったけどよォー。あん時はマジに焦った」
「ほ、……ほんとに好きだったんだよ……。体重ねてみたいって思うくらい」
「だったらよォー、可愛く『抱いてv』って言ってくれりゃあもーすぐさまオーケーだったのによォー。そこでなんっで襲うほうに行くかなあー……。お前って見た目と違ってかなり肉食系だよなあマジで」
「うぅ……」
「しかもよ、逆に押し倒してみりゃあ怖いっつって逃げるし。おかげでその後数ヶ月おあずけくらったよなあ俺」
「……な、なんか話だけ聞くと俺すごく身勝手でイヤな奴みたいじゃあないか……」
「まー男が抱かれる覚悟するってのはそんだけ難しいってことだよな。でも嬉しいよ。『俺は抱かれるよりお前を抱きたい』っつったら一も二もなく了承してくれたこと」
「あれは……う、嬉しかったんだよ、ホルマジオも俺と同じ意味で俺のこと好きだって言ってくれてたんだってわかったのが。でもさ、もちろん俺だって男だし、今だってホルマジオを攻めたくないわけじゃあないんだぜ。なのにちっとも許してくれないんだ。どんなに頼んでもこれだけは絶対に譲ってくれない」
「男には譲れねえ戦いってもんがあんだよ」
「俺だって男だよ……」
【53 その状態に満足してる?】
「俺はもう大満足だけどなァ。イルーゾォは……」
「俺もなんだかんだ言ってるけど不満はないよ。ホルマジオ、すごく上手だし、こっち側も最高に気持ちいい。そりゃあ一回くらいは立場を変えてみたかったけど、互いに互いの事が好きだからする行為なわけだろ? どっちの立場でも感じる愛情は変わらないって気付いてからはどうでもよくなった」
「おっ、いい事言うじゃあねえか」
「たまにはね」
【54 初エッチはどこで?】
「ホルマジオの部屋」
「あん時はガッチガチだったよなあお前」
「だって……後ろ使うなんて初めてだったんだから仕方ないだろ。緊張するし、痛いって聞いてたし、……な、なんか、自分の体に変なところがあったらイヤだなとか、実際に男の体見られて嫌われたらやだなとか、色々考えちまってたんだよ」
「ほんとマイナス思考だよなぁあ〜〜、んなことで嫌いになる程度の気持ちだったらハナから告白なんざしねえって」
【55 その時の感想を・・・・】
「は、……恥ずかしすぎてあんまり思い出したくない。とにかく頭は真っ白になるし、涙ぼろぼろ出てくるし、呼吸するのも必死だったから……」
「それが感想?」
「…………。……でも幸せだったよ、すごく」
「おう、俺も最高に幸せだった」
【56 その時、相手はどんな様子でした?】
「イルーゾォはもういっぱいいっぱいだったよなあ? 息一つすんのも苦しそうだった。なのにさ、ちょっとでも体が離れるとやだやだっつって縋りついてくるんだぜ。もー可愛くて可愛くてしょうがなかったな」
「ホルマジオはとっても優しかったよ。……途中までは」
「あー……まぁ、あの頃は俺も若かったしなあ」
「いきなり豹変したんだ。待ってって言っても聞いてくれないし。力強いし。入ってくる感覚が怖いのに抵抗らしい抵抗もできなかったし。あー女の子って男に襲われるときこうなんだーこれは怖いよなーって思った」
「なんだよお前そんな事考えてたのかよ。余裕だなぁおい」
「余裕なんかなかったよ。最中は特に。だけどこう、一発出した後って妙に頭が冴えるだろ? そのときにフッと思ってさ。女の人に襲われたときは怖くなかったっていうかむしろちょっと嬉しかったのに、逆の立場になるとこうも違うんだなーって」
「………………女の人に襲われたときは?」
「あっ……」
【57 初夜の朝、最初の言葉は?】
「……イルーゾォ君。キミはなんだ、俺に隠してることがだいぶあるらしいなあ? ええ?」
「い、いや、隠してるなんてそんな、だって俺たちが出会うより前の話だし……」
「出会うより前ってそんときお前十五だか十六そこそこじゃあねえか……。その歳でお前……。清純そうな顔して今の子は怖ぇなしょうがねえなあ〜〜……」
「"今の子"ってホルマジオと俺は三つしか違わないだろ!? だいたいホルマジオだって昔はむちゃくちゃ遊んでたし手ぇ早かったってずっと前にソルベから聞いたぜ!」
「!? またあの野郎の情報かよ!! マジなんなのアイツ!」
【58 エッチは週に何回くらいする?】
「あんのバカ野郎、火種になるとわかっててわざと教えやがったなチクショウ……!」
「な?な?ホルマジオだって昔のことは言われたくないだろ? だからこの話は終わりにしようぜ?」
「うーん……」
「だって、ほら、大切なのは今なわけだろ? 俺がキスしたいと思うのも、それ以上のことしたいと思うのも、ホルマジオだけなんだからさ」
「…………。ハアァー……しょうがねえなあー……。俺もつくづくお前には甘いと思うぜ……」
【59 理想は週に何回?】
「? ……あれ、何この質問。何の話だっけ?」
「あー、ずっと言い合いしてたから何問か流れっちまったんだろうなァ。五十九問目ってことは……二、三問流れてるなぁこりゃ」
「ええっ……。どうすんだよ、答えなくちゃあダメなんだろ?これ……」
「さあなあ。本当に答えなけりゃあならねえんなら何かアクションがあんだろ……ああほら、画面見てみろよ、また新しい文字が浮き上がってきた」
「なになに……『初夜の朝の言葉』『エッチは週に何回』『理想は何回』
…………なんだよこの質問。先に進むにつれてくだらなさが上がってないか?」
「どんどん際どい部分まで聞かれるようにはなったよなァ」
「初夜の朝なんて……別に特別なことなんてないよ。普通に"おはよう"って言ったくらい」
「嘘つけよォ、お前が目ぇ覚ましたから額にキスしてさ、体大丈夫かーって聞いたら"撫でてくれたら治るぅ"とか"キスしてくれたら起きられるかもー"とかさんざん甘えてき……ッいってぇぇええ!」
「そ、そ、そんな作り話するなよッ! 俺がそんなこと言うわけないだろ!?」
「悪ぃ悪ぃ! ちょーっと希望が入っちまったんだよ! でもさあ、似たようなことは言ってくれたよなあ? キスもねだってきたし」
「…………!」
「あ、思い出した?」
「うううう……」
「ほーらジタバタしねーの。じゃー次の質問は俺が答えてやるからさ。えーと週に何回かって話だが……これはもう週によるとしか言えねえなあ。互いの予定もあるしよ、仕事だってある。全くしない週もあれば毎日べったべたにくっついてる週もあるよ」
「……それに、そういう事はしないで本当にくっついてるだけの日もあるから……でも平均すると週に一回以上はしてた……かも」
「俺はこの状態でも満足だなァ。そりゃあイルーゾォの事は毎日抱いたって飽きねえがよ、あんまり多くてもイルーゾォの負担になるだろ?」
「……俺はもう少し多くても大丈夫だったよ?」
【60 どんなエッチなの?】
「ええ?そうだったのか? なんだよ、それならもっと誘ってやりゃあよかったなぁ……。そういやお前、けっこう好きだったもんなあセックス」
「え!? なっ、や、……さ、さっきのはそういう意味で言ったんじゃあないッ!」
「ええ? だって本当のことだろォ? なんだかんだ言ってかなりのスキモノじゃあねえか。激しいのも好きだし、少しアブノーマルなプレイなんかしてやると普段以上に感じてるよ」
「許可しないぃ……! そんなこと言うのは許可しないぃ……!」
「だからどんなエッチかって聞かれたら『激しい』の一言に尽きるよなァ。まー俺の我慢がきかなくなるのも一つの要因なんだが、頑張れば頑張るだけ感じてくれるもんだから結果的にどうしてもそうなっちまう」
【61 自分が一番感じるのはどこ?】
「…………」
「お、だんまり決め込むつもりか?」
「…………だってこんなの言う必要ないだろ」
「えー、俺は知りてえなあ。お前はどこが好きだった?」
「……俺に聞く前に自分が答えろよ」
「ええ? まあ別にいいけどよ。……あー、でもちょーっと恥ずかしいからさ、お前だけに言うわ。耳貸してよ」
「ん」
「できればもうちょい近付いてほしいなあ」
「……ん」
「…………(ふー)」
「ッふぁぁあああぁあ!?(ガダッ)」
「ヒャヒャヒャヒャヒャ! 引っかかった引っかかった!」
「な、ば、も、ッなにすんだよ!」
「お前すぐ騙されるよなあしょ〜がねえなあ〜〜〜っ!」
「しょうがないのはアンタだろッ!? 真面目に答えろよッ!」
「真面目に答えたじゃあねえかー。わかるだろ? 今のが俺の一番弱いと・こ・ろ。……お前耳元ですげぇ喘ぐんだもん。アレやばいんだよなあ、可愛すぎて」
「〜〜〜っ!」
【62 相手が一番感じているのはどこ?】
「イルーゾォは全身どこ触っても敏感だからなあ、一番って言われるとわかんねえなあ〜」
「敏感じゃあないッ!」
「なんだよ、首とか背中なぞっただけで体跳ねさすんだから充分敏感だろうがよォー」
「それはホルマジオの手つきがやらしいからだろッ!?」
「そうでもねえよ。だってお前、服も『首周りに布があるとくすぐったくて嫌だ』っつって胸の開いた服着ることが多いじゃあねえか。他はガッツリ隠してんのにさあ。寝るときだって寝間着のボタン、上から2個は開けて寝るだろ? やっぱ敏感なんだよ、俺としてはただただ喜ばしいけどなあ?」
「〜〜っ! ホルマジオは耳ッ! 咥えてやるとすごく興奮してる!」
「ブッハハハハ!『咥えてやると』ってかあ?」
「なっ……なに笑ってんだよッ!」
「いやいや……っくひひひ! お前も男なんだなあって思ってよォ。んー、でも嘘はよくねえなしょ〜〜がねえなあ〜〜〜!」
「う、嘘なんて……」
「『咥えてやると』っつーかさあ、ほら、お前感じすぎるとシーツや指噛むクセあるじゃん。俺に抱きついてるとそれもできねえから、俺の肩だとか耳たぶ噛まざるをえないってだけだろ? そりゃあ興奮するって、すげー感じてくれてるのが丸わかりだしよ、声も直接入っ……痛い痛い痛い痛い! わかった! わかったから抓んなっての!」
【63 エッチの時の相手を一言で言うと?】
「おやじ」
「ええ? なんだよそれ」
「ねちっこいんだよ、やり方が。それに意地悪だ。"どこ触って欲しい?"とか"自分でしてみるか?"とか"今入ってんのわかる?"だとか言葉責めがひどい。うるさい」
「うるさいはねぇだろうがよォー、お前が悦ぶからやってんだから。俺これでも頑張ってんだぜ? ……最中のイルーゾォはなあ〜……、なんだろうな。セックスにはだいぶ慣れてきたはずなんだけど、今でも照れたり恥ずかしがったりする事があって新鮮だしよ、甘え方も可愛い。……一言で言やあ幼妻か?」
「ブハッ! なんだよ幼妻って! じゃあホルマジオは旦那さん?」
「そうそう。ほら、オヤジと幼妻でちょうどいいじゃあねえか」
「なんかずいぶん歳の差婚って感じがするけど」
「いくつだっていいだろ、大切なのは相性だぜ?」
「なら俺たちはバッチリだな」
【64 エッチははっきり言って好き? 嫌い?】
「そりゃあ好きだぜ。もちろんセックス自体がじゃあなくて、イルーゾォとする行為の事だからな」
「……そういう意味なら俺もホルマジオとするの、好きだな。一晩中くっついてられるのが幸せ」
【65 普段どんなシチュエーションでエッチするの?】
「けっこう色々だよなあ? シチュエーション決めてやったり。道具使ってみたりとかなあ」
「だってホルマジオが好きなんだもんそういうの」
「いやいや、お前だってけっこう好きだろ。だから頑張ってるみたいなとこもあんだぜ?」
「また人のせいにして……」
「本当だって。抱いててわかんだよ。あ、今日すげえ興奮してるなって」
「そんなこと言って、ホルマジオのほうこそ興奮してるじゃあないか。特にさ、縛ったりとか目隠しとかそういうのするととんでもなくやらしくなる。サディストなんだよなあ、こう見えて」
「それでも、本気で嫌がるようなことはしてねぇつもりだぜ? やっぱよ、愛あるセックスが一番いいよ。お互い楽しんでできるのが一番いい」