稲妻11

□ヴィーナスの微笑み
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がたん、ごとん。



一定区間の音がする。毎日の通学の電車。必ず同じ時刻、同じ車両。どうしても、この電車に乗りたい。

ある日ね、この電車で、この車両で、乗って来るあなたを見つけたから。
同じ学校、同じクラスでもね、話しかける勇気がないの。


ちょっと離れてるけど、朝会えただけで幸せなんです。
あなたは、私に気づいているでしょうか。多分、気づいていないかな。
でもたまに、目が合う時があります。びっくりして反らしちゃうけど、嫌いだからじゃないんです。


迷惑かもしれないけれど、部活で頑張って、勉強も努力してるあなたが好きなんです。
ごめんなさい、本当なんです。



あなたにとって私はただのクラスメイト。きっとそれは変わらないでしょう。
この気持ちは隠しておきます。もし我慢出来なくなったら、その時はちゃんと言います。






だから神様、この時間をもう少しだけ。


ごめんね、好きです。源田君。







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