その他
□あなたが大切。だから、
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ずっと、魔導器だけが友人だった。
同じ魔導士たちの中でも、あたしはやっぱり浮いていて。
でもそれでも構わないと思ってた。
思う……ようにしてた。
自分がただ強がっていただけなんだと気付いたのは、アイツ等と出逢ったから。
中でも特に、エステルだ。
あたしの手を握って、「友達」だと言った。
純粋で、無垢で、優しいお姫さま。
初めて出来た、人間の「オトモダチ」。
初めて出会えた、魔導器以外の「信じられるもの」。
エステルはあたしを裏切らない。
今はそう、確信できる。
だから、
そう――だから。
「エステル」
「なんです?ユーリ」
この胸の痛みも、耐えられる。
end
あんたが幸せなら、それだけで。