借り宿で本を読んでたら、窓から黒が入って来て言った



「ねぇおチビさん。好き」


「………何が?」


「おチビさんのこと好きになっちゃった」


「………マジで?」


「マジで。
前から気に入ってたんだけど、関わるうちにだんだん好きだなー…って。
で、今日おチビさんのこと、恋愛感情として好きだって気付いた」


「そか、……じゃあ、付き合おうか。オレも好きだ。お前が」


「……じゃあ、よろしくお願いします」


「……よろしく」
















それから始まって、
『恋人』だったのはたった三日間だけだった



 

性的行為もした

めちゃくちゃ痛かった

なんでオレが掘られなきゃならないんだ

って思って文句言ったら
「ボクが女装したとこ見たい?見たくないでしょ?だったらおチビが受け」
ってエンヴィーは言った

今度女装させてやろう、と思った
なかなかイケる筈だ

…まぁ、もうそんな機会ないだろうが




脚と腕持ってかれた時より、
機械鎧つけた時より
痛かった気がする


でも



嬉しかった






幸せだった






そう、幸せだった

















幸せだった


















付き合ってから三日間、エンヴィーは毎晩オレに会いに来た

二人で愛を囁いて、キスして、キスして、時にはシて、べったりとくっついて離れなかった


充実していた


たった三日


あいつは自分のこと何も話さなかったし

オレだって、
恋人でも敵同士なのは変わらなかったから
自分のこと何も話さなかったけど




お互い一番近くにいた



アルフォンスより、近かったと思う




























      愛しかった







 
















付き合い始めて三日目の朝方、




エンヴィーはベッドに寝転がり、
オレはベッドを背もたれにして本を読んでて、

あいつが言った




「そろそろ、別れようかおチビさん」


「あぁ、そうだな。じゃあ、別れよう」



とオレは答えて、


あいつは、またね、と窓から出て行った





オレも、またな、と言って目線を本に戻した


















付き合う前は、


焦がれてた







三日間、

愛してた



今は、



好きだったという過去の感情だけがあるけれど










愛していたのは忘れない

















多分、あいつもそう

















 

あいつが最期の時、
オレの名前を呼んだことが



















嬉しいのか悲しいのかわからなかった

















ただ





自死したお前を見て

















覚悟は出来たよ、愛しいエンヴィー











†END†




エンヴィー
お前とオレは違うイキモノだったけど
三日間だけ一緒に生きることを許されたんだ

嬉しかった

だから、


オレと一緒に生きることが出来るニンゲンに嫉妬して?


 

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