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□子犬の嫉妬
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パラッ…パラ
部屋に本のページをめくる音だけが響く
リビングのソファで無心で本を読み続けるクラウド

「…。」

じ―――――――――――。

その様子を紅茶を沸かしながら、キッチンから見つめるザックス

「…。」

どうやら相当面白い本らしく、家に帰るとほとんどこの状態だ。


カチャ

「クラウド砂糖入れんの?」
「…うん」

顔も見ずに返事をするクラウド

「…何か、悔しいな」

ムスッとしながら紅茶を注ぐ

2人分の紅茶の用意ができテーブルまで運びクラウドが座るソファの隣りに座る

「よっと、クラウド紅茶」
「…うん」

まだ本に夢中のクラウド

「なぁ-あクラウド-暇だ-」
と叫びながら紅茶を一口

「…うん」

パラ……パラ

紅茶を飲みながら本を読み続けるクラウド

『・・・・こいつ聞いてないな』

「……おぃチョコボ」
「…うん」

どうやら気持ちは本の中のようでザックスの言葉は届いていない様子

紅茶をテーブルに置き、クラウドの方を向く

「…ちゅうしていい?」
「…うん」

パラ……パラ

「ふ〜ん…」
顔をニヤ付かせながらクラウドに迫る

クラウド顔綺麗だよなぁ睫毛長いなぁ、としばし無言でクラウドの顔を見つめると、その異変に気付いたクラウドは少しビックリした顔をし、すぐに眉間に皺を寄せた

「・・・・・何ザックス。近いんだけど」

横を見るとザックスの顔が思いのほか近く驚き顔を赤くする

その反応に気を良くしたザックスは、クラウドに体をピッタリくっつけ手を顎に添える

「今回はクラウドが悪いかんな…」

と一言言うとクラウドは訳が分からず目をパチクリさせている

「ちょッザックス、なっなに、俺何かした?」

クラウドは慌てて本をテーブルに置き、顎に添えてあるザックスの腕を掴んだ

「お前が俺を無視したのが悪い」
と言い唇を近付けるザックス

「無視?しっしてないよ!」

力一杯ザックスの体を押すが一般兵がソルジャーに抵抗したところで意味は無く

「ザ、ザック…っん」

クラウドの抵抗は虚しくすきを見てキスした

「う…んッ…ザッ」

クチュ…チュ

クラウドは息が苦しくなりザックスの胸を叩く、がザックスはクラウドの息ギリギリまでキスをし続けた

「ふッ…あ」

もう少し続けたかった、と思いつつ余りにもクラウドが苦しそうな顔をしたので離してやった

「‥んっ…ハァっハァ…ザックス・・・・?」

クラウドは息を整えながらザックスをその潤んだ瞳で見つめ

「何でいきなり?俺が本に夢中になってたか「…クラウドは俺より本といた方が良いのか?」

真剣な目でクラウドの瞳を見て頬にそっと手を添えた

「…ザックス、もしかして本に嫉妬してるの?」

クラウドはやらしい笑みを浮かべザックスを鼻で笑うと

「なッ悪いかよ!だって此所最近本ばっかじゃん!」

少し顔を赤らめクラウドに必死で講義する

「プッ」
「なッ笑うなょ」
「ハハッだって本に嫉妬って聞いたことないょ」
「う、うっせ-」
「ククッ、はぁ…ゴメン、…確かに此所最近本に夢中になり過ぎてたょ」

クラウドはザックスの頬に手を添え額にキスを落とした

「ゴメンザックス」
「クラウド…」

そして2人はまた触れるだけのキスをした。

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