僕たちの

□知らない人
1ページ/3ページ


「・・・・・・んっ・・・・?」

目が覚めて一番最初に見かけたのは、見知らぬ天井。


今まで寝ていたベットから上半身だけ起こして辺りを見回すが、知っているモノは何一つない。

―何処だ…此処は…―

「・・・・・え・・・・と」

額に手のひらを当ててよく考える。

そうか…俺なんか変なヤツに・・・・―

その途端、いきなり部屋のドアが開いた。
「!?」
「おぉ!起きたか!」

いきなり入ってきたその男・・・・
顔立ちがよく、格好いい…と言う言葉だけでは、何か物足りないような感じがする。
元気な性格なのか、喋らなくともその性格が良くわかった。

その男に対し、何が何だかで目を見開いて、大きな声をだすわけでもなく驚いている少年。

「大丈夫か〜?…腹とか減ってる?」
「!・・・・えっ…と」
「?」

近づいてきたかと思ったら、突然の問いかけ。
―この人・・・・全てが突然過ぎる…

「・・・・・・・‥」
「どうした?やっぱり具合悪そ…?」
「・・あ・・・えと・・」

この人は自分を心配してくれているようだし、何か答えなくてはと思っていても、上手く言葉が出てくれない。
そのことに、もどかしく思った。

「・・・・・・しょうがなぇよな・・・・あんな事があったんじゃ…」

と、目を伏せる男。

―――あんな事・・・・?

背筋にゾクリと凍った。
それと同時に、羞恥と恐怖が蘇ってくる。
途端震えが止まらなくなった。

「・・・・・っ・・・・!」

どうして・・・・あんな事に・・・・
俺は・・・・・・!

全て事から背を向けたくて、目をこれでもかと言うほど瞑り、自分の体の震えを止めるように、体を抱える。

―――――あの感覚

―――――――――――あの恐怖

―――――――――――――あの羞恥

全てが繊細に蘇ってきた。

途端、何か暖かいモノに包まれた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ