Dream

□白馬の王子様
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「さいあく」

わたしの発した音は空気に溶けるように僅かに白くなった息と共に消えていく。小さく呟いてもこの状況が変わるはずもなく。教室にある時計は既に6時をまわっていて。ずっと勉強に集中していて時計をみてなかったと言えば聞こえはいいが、実際は教師から大量の課題を渡されていてがむしゃらにやっていたからで。こんなことなら期末試験もっと頑張っておくんだった。なんて後の祭り。課題をやり終えたはいいが、既に6時過ぎ。太陽が沈むのがはやいこの季節。外は既に真っ暗で。帰り支度をしながらだんだんと不安が募ってく。最後には暗闇に隠れていたレイプ魔にレイプされて殺されるかもしれないなんて、馬鹿馬鹿しい妄想が頭を駆け巡る。そんなびくびくしているときに おおきな音と一緒に扉が開く。ひぃぃ、なんて音が思わず自分の口からもれる。思わず尻餅をついたわたしを呆れた顔で見てたのは泉くんで。

「なにやってんだよ」

泉くんにこれまでの経路を言い訳がましく述べたら、チャリだから送ってってやるなんて言ってくれちゃって。わたしは図々しく泉くんに送ってってもらうことにした。どきどきが始まるのはそれから僅か数分後。


白馬の王子様
(泉くんって)(かっこいいかも!)

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