Dream

□眠れる森の、
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5時間目。お弁当を食べ終え、心地よい日差しが教室に降り注ぐ。教師の声が子守唄の代わりになり、一人また一人と眠りにつく。そんな三分の一くらいの人達が心地よい睡眠を貪っている中にもちろん水谷文貴もいた。わたしの横で気持ち良さそうに眠っているのだ。くかぁーと口を開け間抜けな顔で。時折もぞもぞと動くものの、それ以外は死んだように眠っている。授業に集中しようと何度思ってもたちまち意識は水谷にいってしまい、寝顔まで愛しいと思ってしまうなんて重症。だいすき、と一言言えたらどんなにいいかとおもう。いざ言おうとすると拒絶されたときのことを考え言えないままでいる。弱虫でネガティブなわたし。わたしにとって水谷はそれほど掛け替えのない ひとになっていたなんて。


眠れる森の、
(起きないのならば)(キスを。)

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