Dream

□LOVE AND DESPAIR
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「お前が俺に逆らっちゃいけないってことを教えてやるよ」
「や…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

いくら抵抗しても無駄だって知っているのに、反射的にやだやだと小刻みに首をふってしまう。勇人の歩みは止まることなく 一歩一歩と近づいてくる。それに伴い私の足も一歩一歩と後退していく。ねぇなんで?私の何が気に入らないの?なんて聞いてもまともな答えは手に入らないだろう、と。だって彼は私をいたぶりたいだけなのだもの。ついに窓際まで追い詰められる。これから起こる事に軽い絶望感を抱き、その場に座り込む。勇人の手が挙手をするかのように上に上がった次の瞬間

「、っ」

乾いた音がして頬に衝撃がはしる。何度もされても慣れることはなく。目がちかちかして口の中に血の味がひろがった。頬が鈍く熱を持つ。目の前にいる勇人は楽しそうに目を細め口元には冷酷な笑みを浮かべている。いつからこうなったのか、なんて思い返してみても 思い出すのは目の前にある冷酷な笑みを浮かべる勇人だけで。もう嫌だなんて思っても勇人から逃げられるはずがなかった。


LOVE AND DESPAIR
(だって私は)(勇人を愛してしまったから)


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