Dream

□悲しげに鳴る着信音
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こんなに天気がいいのに
と勇人の顔がうかぶ。
久しぶりに明日遊ぼう
と言ったものの、
約束があるといって
断られてしまった。
(彼女の誘いを断るなんて!)(全く勇人らしくない)

ぶらぶら歩いてたら
目の前に勇人らしき人が。
声をかけようと
息を吸い込んだ矢先に
勇人が片手をあげた。
(斜め後ろから見える勇人は)(嬉しそうにきらきらしてて。)

手を上げている
相手にゆっくりと
視線を移す。
(ねぇお願い。)(女の子なんかじゃないよね?)

私の必死の願いは
伝わることなく。
勇人の待ち合わせてる
人は可愛い女の子だった。

呆然としてる私には
気付かずに二人は
腕を絡めて、仲良さそうに
歩きだす。
(嘘でしょう?)(恋心を抱いてたのは私だけ?)

勇人の顔は
最近はあまり見かけない
きらきらと輝く笑顔で。

嫌だ嫌だ嫌だ
なんて思っても
辛い現実を突き付けられる。

いつの間にか
携帯を出していて
見慣れた番号に
かけていた。
(あなたは)(どういう顔で電話に出る?)

勇人は 携帯を
取り出して サブ画面に
浮かんだであろう私の
名前を見て ふっ、と
軽い苦笑を浮かべて
携帯をポケットの中に入れた。


悲しげに鳴る着信音
(夜、電話してきて)(勇人は電話に気付かなかったと謝った。)

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