Dream

□30p中毒
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「なぁ教科書見してくんねぇ?」

どきりと心臓が音をたて 心拍数が異常に上がっているのが自分でもわかる。忘れちゃったと、へらへら笑う姿にどきどきする。少し裏返った声でいいよと言えば嬉しそうにさんきゅ。と言って席を近づけてきた。わたしと水谷くんとの距離は僅か30pほど。もちろん授業など集中出来るはずもなく 先生の声は右から左へと抜けていって。黒板は写していたものの 全ての神経は隣の水谷くんにいっていて、やたらと誤字脱字が目立つ。水谷くんはというと ペンを器用に回したり、窓の方をぼぉーと見ていたりして。教科書いらないじゃんなんて思ってもこの距離が心地よく。毎回教科書忘れればいいのに なんて思っていた。


30p中毒
(遠くから。なんて)(物足りない。)

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