Dream

□生暖かいチョコレートはお好き?
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孝介が顔を真っ赤にしながら、チョコくんねぇの?と照れながら言い、私の頬は自然と緩む。しょうがない あげよう。と少し勿体振って孝介にあげたのは、でかでかと某チョコレート会社の名前がパッケージに入った板チョコで。孝介が露骨に嫌な顔をする。孝介が言いそうな言葉は既にわかっていたから 言い訳めいた言葉を並べる。

「いやいやだってさぁ、孝介が他の女の子からもらったチョコだって元はといえば、この板チョコなんだし、手作りって衛生的によくないと思って」

半分本音で半分嘘。衛生的によくないとは本当に思ってるけど、市販のチョコにしたのは 付き合って半年 さすがに気恥ずかしいということもあって。孝介はわたしの考えが理解出来ないのか 無言で私が持っている板チョコを見つめてる。バレンタインデーくらいという半分お遊びみたいに思っていたところもあったため、そこまで深刻そうにする孝介が可笑しくもあり、また罪悪感も少しあった。孝介の悲しみがダイレクトに伝わってきて ごめんよーと謝る。そこまで落ち込むとは思ってなかったため咄嗟に謝った声が水谷みたいにふざけてるような声になっちゃって。真剣に謝ってるって伝えなきゃなんて思ってたら体が勝手に動いてて。

「、!……っ」

口にチョコを含み口移しで孝介に温かい液状になったチョコを運んでいて。


生暖かいチョコレートはお好き?
(なんて大胆な!)(たまにはいいかも、なんて。)


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