Dream

□かむばっくへらへら
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「別れたんだってー?」
突っ伏している水谷に
残酷な言葉を投げ付ける。

「まぁね」
突っ伏したままさらりと
受け流す水谷。
上半身を起こし
ぶっすーとした顔で
窓の外をぼぉーと見てる。

「なんでー?」
わかっているのに
水谷の口から聞きたくて
わざと問う。
(わたしなら浮気なんて)(しないのに。)

さぁねと、わざとらしく
肩を竦める 水谷の顔に
いつもの馬鹿みたいな
へらへら笑いはなく。

浮気されたのにまだ
未練があるの?なんて
言いたくなる。

「可哀相な水谷くんの彼女になってあげる!」
なんて 冗談めかして
本心をちらりと見せる。
(わたしならあんたを)(裏切ったりなんかしない)

「嬉しいかぎりですねー」
会話なんて上の空。
端から冗談としか捕えてない
鈍い水谷が憎い。
馬鹿みたいに長音にした語尾は
虚しさを倍増させる。


「…ありがと」
もう水谷と話すのやめよう
と 思い他の友達のところに
行こうと席を立つと
手首を軽く掴まれて。
またも突っ伏している
水谷の耳が真っ赤になっていて。


かむばっくへらへら

(こんなことだけで)(期待するのは図々しい?)

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