SSS
□02
1ページ/1ページ
意味不明注意、色んな意味でごめんなさい。
「あんたは酷いやつだよ」
彼にそう言われてぼくは言われのない暴言に眉をひそめるしかなかった。
何でいきなりそんな事を言われなくちゃならないんだ。
「あんたは残酷だよ」
彼はぼくの何を持ってそんな事を言うのか。
「それなのに綺麗なふりをして‥」
彼はぼくの何を持ってそんな事を言うのか。
「ズルいやつだな」
彼は――…。
止めた、彼に何を言われてもぼくの感想は変わる事なんて無いのだから。
だって、
「紫苑…」
「ねぇ―‥」
彼の言葉を遮る。
唇が酷く乾いていた事に今更ながら気がついた。
「君、だれ?」
「……」
彼は少しだけ悲しそうな表情をし、けれど諦めた風にも見える。
でも何をだろう?
彼は何を諦めたのだろう。
「あの、ぼく早く帰らないと母さんが心配するだろうし‥沙布だって‥」
沙布。
さふ。
さ ふ 。
あれ?誰だっけ「 」って。
「酷いやつだよ紫苑。あんたは結局無くすんだろそうやって」
「……」
「おっさんやイヌカシやおれ達を忘れて無かった事にするんだろ?」
「……」
「で?今度は誰を無くすんだ?」
「……」
「いずれは自分も無くすのか?」
「……」
ねぇ、君はだれ?
END