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夢を見る。
あのとき言った言葉がはりついて離れないんだ。
望んだ言葉なんてないと思っていたけれど、それでも、君の言葉は裏切りだった。
だからボクは逃げた。
君から。
それで、潰れた。



「何で床に寝てるの?」

目を開けたらいつもの様に彼がいた。
いや…2日ぶり?とりあえず昨日は見ていない。
理由は見て明らかでなんだかいっそ笑えてしまう。

「……酷い顔だね」
「僕の話聞いてる?」

端の切れた唇が尖り青アザの縁取りをされた目がキッとボクを睨めつける。
正直、怖くない。
右手を支えにして起き上がる。
今何時なんだろうか、彼がここにいるから多分4時半位だとは思うのだけど部屋が薄暗いので時間がわかりにくいのだ。
壁に掛けられた時計に目を凝らすとやっぱり4時半になるちょっと前だった。

「今日は暗いね」
「最近は日が落ちるのも早くなったからね。だからびっくりしたよ部屋に入ったとたん何か蹴ったかと思ったら君だったから」
「………」

蹴ったんだ。
こいつボクの事蹴りやがったんだ。
何かショック。

「っていうか、だから君僕の話聞いてる?」
「聞いてるよ」
「答える気がないんだね」
「たまに答えるよ」
「常に答えて欲しいんだけど」
「何でもすぐに答えが貰えるなんて思っちゃいけないよ」

自分の机から椅子を引いて座る。

「それで、どうしたのさ?」
「何が?」

きょとんとして首を傾げて見せる。
わざとじゃないのがまた腹立つ。

「そのぼこぼこの顔は誰にやられたの?」
「あぁ…」

人差し指の爪が割れた手でするりと頬を撫でて彼はうっそりと笑う。

「何でもすぐに答えが貰えるなんて思っちゃいけないんじゃなかったけ?」
「そうだよ」

ほら、君だって答える気がないくせにね。


To Be?


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