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軋んだ世界※
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「んぁ…」

甘い甘い声。
その瞳は恥ずかし気に伏せられ。
頬は赤く染まり。
一糸纏わぬ身体は頼り無げで。
美しい白髪はベッドへと流れる。

肉付きの薄い胸を優しく撫でると紫苑は擽ったいのか身体を捩った。

「ん、やっ、ふふ擽ったいよネズミ」
くすくすと笑いだしておれの手を阻む。

「あんたなぁ…」
「だって本当に擽ったいんだもん」

上目遣いでふてくされた様な事を言う紫苑。
ならばと胸に置かれていた手を下ろして紫苑自身を優しく握りこむ。
「っ!?ふぁっ」

瞬間、身体をびくりと震わせた。
素直な反応にふっと笑みが零れる。

緩く緩慢にそれを扱く。
「ん、んぁ…や…」

強弱を付けてより攻めたてればぴくぴくと身体を跳ねさせて快感を雄弁に示す。

繰り返せば腰を揺らして限界を訴える。
「あっ、やぁネズミ…もう、離してっ、あっっ――!!」

飛び散る白濁。
恍惚とした表情はなんとも淫らで麗しい。

誘うように開かれた唇にキスを落とす。


頭の奥で誰かが笑う。
ほら、あんたはもう逃れる事はない。
だってこの快楽に捕まってしまったのだから。


背徳を手に蜘蛛と蛇は静かな夜に夢を見た――

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