Other
□ワタシは――ワタシ以外を。
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もし、人が二人居たら…ソレはどんなに幸せで、どれほど残酷なことなのだろうか。
そんなことを考えていた。
そんなことを思っていた。
それはタダ、私の中にもう一人。
なんでもわかってくれて、なんでも知っている人。
あるいは、生まれた。誕生した時から誰も居ない二人だけの世界にイル私と人。
嬉しいとき。
悲しいとき。
怒ったとき。
…
寂しいとき。
どんな時だって二人しか居ない。
でもそれは。
どれほど寂しいことで。
どれほど寂しくない事なのだろう。
二人きりの世界。
ここにはワタシしかいない。
傷ついたりしない。見捨てられたりしない。絆なんて求められない。
ワタシを“絶対”とする存在。
ソレはどんなんだっていい。
ソレがどんなモノでもワタシは愛せる。
ソレが愛しくてたまらない。
人は誰だって独り。
血の繋がりなんて関係ない。
双子にだって六つ子の兄弟、姉妹だって赤の他人だ。
だって。
ワタシじゃないもの。
ソイツはワタシじゃない。間違ってもワタシの中に入ってはイケナイ。
良くてどちらかが壊れる。
だから、ワタシはワタシを、ワタシであってワタシでないモノを
ワタシとして受け止める。
だから誰かの侵入も
だから誰かの潜入も
すべてを拒む。
淋しい想いはもう、イヤダ。