離れても共に

□狭間
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「本体では、はじめまして──マスター・ゼアノート」


したたかな目付き

人を蔑み、評価するような視線……


それを受けても、好戦的な姿勢は崩さない。

「ハートレスとノーバディになりながら、自身で融合を果たした存在か」
「そう、残念ながら私はもう人間であり、貴方がたに力を貸すつもりは毛頭ありません」
「ふん──必要ならまた引き裂けばよい。それにキーブレードを使えるなら、闇にも光にも属せる。使い道はいくらでもある」

ニヤリと笑う姿に嫌悪

「ごゆるりとされよ」


それでも最後まで表情を崩さなかった。












「なっつかしい〜!」


城の一角……かつて自分自身が使用していた部屋と、黒いコートを宛がわれた

「牢じゃなくていいの?」
「今の君では、到底逃げられないであろう」
「それはどういう意味だ。闇の回廊が使えないからか」

ゼムナスは不敵に笑った。


しかし少しすると表情を崩し、彼女の髪を撫でる。

「やはり、ノーバディであった頃と少し、感覚が違うようだな」
「皆に言われるよ、ゼムナス」


そう──かつてこの存在と共に過ごした頃は、心無き身体のみ。


そして戦い、消滅し……



「──また、会えたのに」


ぽそりと呟く名無しさん


「……早く出ていけ」

ここは闇の力が強い。ともかく昔の服装に着替えようと髪にのびた手から逃れた。
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