離れても共に
□覚醒
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──そして
「どうして名無しさんが?修行でもしたのか?」
「研究しかしてないよ。ただ、戦おうとしたら出てきたんだけどね」
現れたキーブレードをまじまじと見るアクア。納得したように頷いた
「やはり間違いありません……名無しさんのものです」
礼を述べて、そのまま一歩下がる。
その言葉を聞き、新たな使い手はその武器を消した。
「アクアとヴェントゥスも戻ってきた──今なら彼女を見つけられるかもしれない」
力強い王の言葉に二人は嬉しそうに頷いた
「はい!」
「やっと名無しさんと会えるんだな! 全部ゼアノートとヴァニタスのせいだったんだ──ちゃんと話がしたい」
「そうね……うん、そうね」
事の成り行きを説明し
「確かこの辺りだったと思うんだけど……」
出会ったという彼女の故郷へと降り立った。
狭間とは違うが、どことなくトワイライトタウンやトラヴァースタウンを思い出す雰囲気に、辺りをきょろきょろするソラ
反してアクアは前を真っ直ぐ見据えていた。
「やっぱり扉なんてないんだよね」
「さっきのキーブレードは?」
「なるほど……そういう使い方もあるのか」
すべてを拒絶するかのように
それこそ他者こそ
時間の流れすらも──
「名無しさん!!」
駆け寄るアクアに、着いていくヴェントゥス
「本当にいた……」
記憶の中と違わない姿で、彼女はそこにいた。
違うとすれば……随分年上だと思っていたが、今となれば若い女性
死んではいないだろうが、陶磁器のように白く冷たい肌を感じた。
名無しさんも歩み寄り、傍らに膝をたてる。
「起きないのか?ヴェントゥスと同じで心が眠ってる?」
「いえ……名無しさんは──」
全てを拒絶したのではないかと、アクアが呟く
何があったかは考えるに足りないが……ゼアノートが絡んでいるのであれば有り得ることだった。
「私も──力を貸します。そしてキーブレードを返します」
同じ名を持つ彼女も頷いた。
そして心の中で見えた過去の残像──
「──アクア?」
「名無しさん!!」
かつての彼女の闇に触れ、それすらも越えて……アクアは目を覚ました友に抱きついた。
END.
とりあえずBbS組を早く救出したかったですね
キーブレード使える設定は昔の別の連載姫さんにいましたが、まさかこの子もこうなるとは。