†NL小説†

□満月兎
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「ここにいたのか、フラン」

切株の上に座っている銀色の髪の、美しき相棒を見つけると、いつものような笑みを浮かべながら切株のあいていた部分に座り、月を見上げた。

「あら…バルフレア。どうしたの」

「お前の姿が見えないんでな。散歩ついでに探してみたわけだ。そうしたらここにいた」
「あら、私はついでなのかしら?」

ふふっ、と笑うフランに、バルフレアはバツが悪そうに頬をかき、『言葉のあやってやつだ』と言う。

「ところで、私に何か用だったの?」

「…あぁ。…お前、エルトの里に行ってから少しおかしくなっただろ」

何故、と問うフランだったが、思いあたるふしがあったらしく、それ以上は何も言わなかった。

「…過去を詮索する気はまったくないが、辛い時ぐらいは俺の事を頼って欲しいもんだねぇ」

おどけた口調で言うバルフレアだったが、瞳は真っ直ぐにフランの方を見ていた。

バルフレアはうつ向いたまま何も言わないフランに、『そろそろ戻るかな』と言い、立ち上がった。





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