†リク小説†
□見えない貴方に
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『…殿下』
「…ウォースラ…?」
強い風が吹くと、そこには会いたくて堪らなかった相手が、ウォースラがいた。
「ウォースラ…!!…ずっと、会いたかった…!!」
そう言って近付こうとしたが、制された。
『…殿下、もう時間がありません』
「…何を、言ってる…?まだ、まだたくさん話したい事が…!!」
『…これだけは…。愛しています、殿下』
「ウォースラ、私も……!!」
それだけを言うと、ウォースラの姿が、少しずつ薄れていく。
『もっと早くに聞きたかった…』
薄れていく姿を見て、震えが止まらない。
「…お願い、もう、いなくならないで…!!」
『…私はダルマスカの再建と、殿下の幸せを祈っています』
それがウォースラの最後の言葉だった。
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