ノンの妄想部屋

□新米探偵まゆらなミステリィ
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新米探偵★
まゆらなミステリィ




「こんにちわぁ!」
…今日も元気なミステリィ大好き娘がきた。
と、ロキは思い、溜め息をついた。

何でも首を突っ込みたがる彼女にセーブをかけるのは並大抵の努力では立ちうち出来ない。…が、最終的に、彼女はいつだって事件に首を挟む。
後始末はロキの日課になりつつある。

ヤバイ。

はっきりいって、ヤバイ。

どうしても後始末をかってしまうのは、彼女が気になる存在だからだ。

出来たら今日は彼女にこの家にきてもらうのは遠慮してほしかった。

今日は三月十四日…
つまりはホワイトデーな訳で。
机の引き出しには
彼女に渡すために用意した箱があった。

ちゃんと手渡したい。けれども家で渡すのも何か違う気がして。どこかいいところはないかと考えているうちに彼女は来てしまった。
どこか良いところを思い付くまで、見付かったら嫌だなと思ったのだ。

その時電話がなった。「はい燕雀探偵社…迷子の仔猫ですか?はいお探しできますよ…」電話は依頼人からだった。飼っていた猫がいなくなったという。
連絡先と住所を聞いて「すぐうかがいます」と電話を切ると、
「事件ねっ
まゆらがおおはしゃぎで尋ねてきた。
いつだって暇なのに、今日にかぎって!
ロキは舌打する。
でも仕方がない。
依頼人には「すぐ伺います」とつたえ、
電話をきった。

「まゆらも来るかい…といわなくても君は来るんだろう」
「うん
こうなったらヤケクソだ!
ロキはまゆらとともに依頼主の家を訪ねることにした。



依頼主の家は、城のような豪邸であった。
「うちのなかでいなくなってしまって…」
依頼人は泣き出した。これだけ広いと猫
も迷子になるだろう。依頼人には、
「全力をつくします」
といって、まゆらと二人で手分けして探すことにした。
「ソファの下もいないよ」
「まゆら…そんなところにいたら僕らの出番は無いだろう?」
「あ、そっか」


結局猫は屋根裏で見付かった。
どうやらまよいこんで入ったはいいが、でられなくなったらしい。

飼い主は泣いて喜んで、二人に報酬を二倍支払ってくれた。

すっかり日はくれてしまい、辺りは黄昏色に染まりつつある。
夜の戸張がおりはじめていた。
「ごめんねまゆら…」
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