ノンの妄想部屋

□Letters
1ページ/3ページ

前から、その人のことは気になっていた。


元々は会社の先輩で部署の違う上司だった。先輩達からは、みんな狙ってるらしいよ、という話は聞いていたが別に気にしていなかった。

が。

たまたま会社主催の新年会で隣のテーブルになり、少しだけ話したのだが、優しい人だな、と思った。
そのときから気になる存在になっていったのだと思う。

最近部署の異動があり、私は彼と一緒に働くことになった。
超ラッキーな機会が出来て、私は有頂天になっていた。

「あの…仕事のこととか聞きいし、よかったら携帯番号教えてくださいっ!!」

自分でもすごいと思うが、よくこんなこと言ったと思う。でも気持も真剣だった。

彼はきにするでもなく、いいよと言った。あっさり教えてもらって表紙抜けしたものの、同じ携帯会社だったのでメールを送ると、

これからよろしく

と入ってきたのだ。単純に嬉しかった…。

その日から、彼にメールを送る、という私の秘かな日課が始まった。
たわいないことから愚痴まで、何でもメールした。彼はみじかいながらもきちんと返信してくれて、好きになるに時間はかからなかった。

けれど。
告白するには至らないのだった。

私が前に進めない訳。
それは。




彼が既婚者だから。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ