ノンの妄想部屋
□Letters
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前から、その人のことは気になっていた。
元々は会社の先輩で部署の違う上司だった。先輩達からは、みんな狙ってるらしいよ、という話は聞いていたが別に気にしていなかった。
が。
たまたま会社主催の新年会で隣のテーブルになり、少しだけ話したのだが、優しい人だな、と思った。
そのときから気になる存在になっていったのだと思う。
最近部署の異動があり、私は彼と一緒に働くことになった。
超ラッキーな機会が出来て、私は有頂天になっていた。
「あの…仕事のこととか聞きいし、よかったら携帯番号教えてくださいっ!!」
自分でもすごいと思うが、よくこんなこと言ったと思う。でも気持も真剣だった。
彼はきにするでもなく、いいよと言った。あっさり教えてもらって表紙抜けしたものの、同じ携帯会社だったのでメールを送ると、
これからよろしく
と入ってきたのだ。単純に嬉しかった…。
その日から、彼にメールを送る、という私の秘かな日課が始まった。
たわいないことから愚痴まで、何でもメールした。彼はみじかいながらもきちんと返信してくれて、好きになるに時間はかからなかった。
けれど。
告白するには至らないのだった。
私が前に進めない訳。
それは。
彼が既婚者だから。