小説

□真の願いと現の夢
3ページ/4ページ


昌樹と浩樹そして、太陰と玄武は夜の学校にいる。薄暗く、普通は身をすくませるだろうが、それはそれ。昌樹も浩樹も平気な顔をして校庭を歩いている。

「うーん。前と変わったところはないなぁ」

昌樹が呟いた。

「昌樹、満足した?」

浩樹は、だから言ったのに、と言わんばかりの体だ。

「まあ、うーん気のせいだったのかなぁ」

「気のせい?何か気になる事でもあったのか?」

問うたのは玄武だ。

「それは」

その瞬間、空気がどんよりとしたものになった。
これを自分は『知っている』?

「玄武!太陰!アイツだ!!」

二人が、グッと身を構える。

「知ってるのか!?」

「この間、会ったんだ」

浩樹が札を一枚取り出し、昌樹もそれにならう。

「やっと連れてきたか」

現れたのは玄いもや。

「くらえ―――っ!!」

太陰が風の矛を放つと、もやは構えていなかったのか、直撃をくらった。

「どうよ!!」

やたら太陰は誇らしげだ。なにかひと悶着あったのだろう。

「あ、もやが吹き飛んで……」

今まで覆っていた玄いもやが、太陰の風のお陰で吹き飛び、もやの中身が現れた。
 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ