誰も知らない二人だけのメロディー。
いつだって二人顔を会わせれば即興曲を歌い合う。
それが私達のコミニュケーションの取り方。
「世界で1つだけしか守れないものがあるとすれば何?」
私が屋上のフェンスに寄りかかり、視線だけ彼に向けて問えば
「それはもう決まってる。」
私の横に並び私の手をそっと取ると膝をつく。
「君だよ。」
そう言って手の甲にキスを落とす。
そんな彼に目線を会わせる様に腰を折る。
真剣に見つめてくる目を手で覆うと、閉じた瞼にキスをする。
「私も。トロイだけ。」
付き合ったときからもう
「君だけ」
「貴方だけ」
しか見えていないんだから。