こうこう(置き場

□Univer
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「なんでバスってこんなに遅いの‥」


スクールバスの中で私は悪態をついた。
隣に座るテイラーはそんな私に苦笑いを浮かべる。

溜め息をついて背もたれに体を預けた私の手には彼とお揃いのストラップがついた携帯電話。
デジタル表示されている時計は後10分でHRという時間を示していた。



「今日も会える時間、ないじゃない‥」



やっと見えてきた校門に私は小さく呟いた後2度目の溜め息を吐いた。





さっさとバスを降りて校門をくぐる。
時間は後4分でHR開始だ。


教室を向かおうとすると、中庭の噴水の縁に綺麗に足を組み本に目を落とす彼の姿があった。


それだけでとても絵になるのに、太陽の光を反射した噴水の水がキラキラ輝いてそれが彼をより一層引き立たせていた。



「‥かっこいい」



このまま話かけるのも惜しくなって暫く見つめていると彼が私に気が付いた。

一度此方に大きく手を振ると読んでいた本をリュックサックにしまい込み、立ち上がって私の方まで駆けてきた。



「やぁ、今日もバスが遅れてたのかい?」

「ごめんなさい‥」



申し訳なくてうつ向いて謝罪する私に



「謝らなくてもいいさ」



そう言って私の手を取り教室とは全く逆方向へ向かう彼。

暫くすると大きな白いオープンカーが見えてきた。




「今日は天気もいいし、授業なんてサボってデートしようよ!」

君が喜ぶ場所、全部
連れていってあげるよ!






(何処へ行きたい?)
(夢と魔法の国に行きたい!)
(オーケー!お姫様の願いを叶えるのが王子の役目だ!)

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