BB短編
□金環日食
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「わっかだよ!わっか!」
ハルくんが太陽を見ながらはしゃいでいる。
あんまり綺麗に笑うから「ハルくんは死ぬまでにもう一回見られそうダネ」と冗談を言った。
すると「…その時はロアさんも一緒だもん」と悲しそうに返された。
ワタシだけでなく、今こうしてこのリングをみている人々が、もう一度見られるなんてことはないだろう。
キミは知らないんだろうね。
抱きつく愛しいキミの腕は、離すまいとでも言っているようで…。
「アリガトウ」そう言って、ワタシもハルくんを強く抱き締めた。
=end=