長編駄文
□He doubles his gift who gives in time.
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恋次が幸せそうに白哉と駅のベンチに座って居ると一護がやって来た。
「おっせーよ白哉」
「だから白哉さんを呼び捨てにすんな!ってゆーかテメェ!白哉さんが死んだとか嘘吐きやがって!どっか行けバーカ!!」
恋次はギャンギャンと一護に食ってかかった。
「うっせぇなぁ…白哉が交通事故にあったのは嘘じゃねぇし
ルキアと白哉が帰って来ねぇって云うのも嘘じゃねぇよ
ったく白哉もルキアも迷惑押し付けやがってふざけんなよ」
「ふざけて等居らぬ、全ては貴様の落ち度だろうが黒崎一護」
「るっせーな、恋次の面倒見るだけでも大変だってのに飼い主になるなんてムリムリ」
一護は肩を竦めて「何時だって飼い主はお前なんだから」と云った。
恋次はどういうことなのかさっぱり分からないらしく困った表情で白哉を見た。
「私は交通事故で重体で病院に運ばれ、意識が戻るかも分からない
例え意識が戻ったとしても以前の様に過ごせるまで回復出来るかも分からない
その様な状態の時にルキアが恋次にこのことを知らせてはならぬ
と思ったらしくお前を黒崎の所へ預けたのだ」
「なんで俺は駄目だったの?」
「…私がお前の飼い主だからだ」
「俺だって白哉さんと一緒に居たかったのに…」
恋次はしょんぼりと項垂れた。
「で、白哉の意識が中々戻らねぇからルキアと白哉はもう帰って来ないってことにして
お前を俺ん家、若しくは他の家の誰かの家で飼って欲しいって云って来たんだ」
「嫌だ、何があったって俺の飼い主は白哉さんだけだ」
恋次は強く一護を睨み付けた。
「だから、ルキアはお前を呼ばなかったんだよ」
一護はため息を吐いた。
「ルキアは本当に白哉が死んじまったらお前が
ずっと白哉のことばっか考えて引き込もってどうしようもねぇことになるだろうから
…だから理由を云わねぇでルキアに頼まれてお前の面倒を見るって云ったって聞きやしねぇ」
一護は白哉を指差して「お前が大好きすぎてな」と云った。
「そしたら勝手に出て行って白哉の家に行って理由聞いてくるし
入院してて重体…なんて云ったらこいつぜってぇ病院探し出して行くから死んだことにするしか無かったんだよ」
肩を竦めて「結局無駄だったけど」と一護は心底疲れた表情をした。
「私の意識が戻った時には既にそういうことになっていたらしくてな…
聞けばお前は何時まで経っても私を待つことをやめない…とルキアに黒崎が相談して来たと私に云って来てな」
「だってこいつ俺の云うことなんて一切聞かねぇんだぜ?」
「誰が聞くかバカ一護」
白哉は一護に暴言を吐く恋次の頭を撫でて「静かに」と云えば恋次は直ぐに口を閉じた。
一護はそれを見て「俺の云うことは聞かないのに…」とむっとした。
「だから私は早く怪我を治してお前に逢いに行こうと思った。
…とはいえ四年もかかってしまったがな」
「別に、白哉さんが帰って来てくれたから良い」
恋次は白哉に笑いかけた。
一護は酷く疲れた顔をして二人を見た。
「もう俺帰るわ、お前らと一緒に居ると疲れる」
一護は二人に背を向け家へと向かった。