長編駄文
□afraid of his own shadow
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蒼く透き通った雲一つない空の下
小さいながらも目立つ赤色が揺れていた。
いくら雲が無く晴れているとはいえ、冬に入りかけようとしている為なのか北風が身に染みる。
と、そんな中にやはりポツリと赤色はたたずみ何かを待って居る様だった。
その彼に…誰かが近より名を呼んだ。
その声を聞いたとたんに彼は大喜びをして黒い髪をした男性に駆け寄った。
「白哉さん、お帰りなさい!」
「ただいま、恋次」
恋次は嬉しそうににっこりと笑いながら尻尾をぱたぱたと振っていた。
「今日は早かったですね」
「ああ、今日は午前中で終わりだったからな」
「じゃあじゃあ、早く帰りましょう」
「何をそんなにはしゃいでいるのだお前は」
白哉は少しばかり困った表情をして恋次を見た。
「ん?だって今日は何時もより白哉さんと一緒にいられるから嬉しいんですよ」
にっこりと恋次は笑った。
そんな恋次を見て白哉はつられて微笑んだ。