長編駄文
□Our worst misfortunes are those which never befall as.
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結局、夜遅くまで恋次に自分が"ごしゅじんさま"ではないと理解させようとした。
しかし恋次が話をしている途中で眠気を訴えたので白哉は恋次を布団に寝かせてやった。
そして朝ルキアが恋次の姿を見た時にどう説明するべきなのかと思案した。
「おはようございます兄様」
「…ああ」
朝になり起床したルキアが挨拶をしてきたが白哉は考えなければならないことが多すぎて一睡もしていなかった。
ルキアはそんな白哉の様子に気が付くこと無く朝食の用意を始めた。
両親が居ない為ルキアは幼いながらも家事をこなせる様になって居た。
すると未だに眠たげな目を擦りながら恋次が白哉の元へとやってきた。
「…おはよう、ごしゅじんさま」
「だから"ごしゅじんさま"ではない、白哉だ恋次」
恋次はぽてぽてと白哉に近よりぎゅうと抱き着き頬にキスをした。
「おはようごしゅじんさま」
「…お前…」
白哉は頭を抱えたくなった。
「…兄様、そやつは一体誰ですか?」
「ああ、恋次と云ってな…昨日帰りに見付けてな…帰る所が無いらしくてな連れ帰って来た」
「そうなのですか…」
ルキアは納得して頷いた。
白哉はその時ほどルキアが幼くて良かったと思ったことは無かった。
「………」
恋次は白哉の後ろに隠れながらルキアをじっと凝視していた。
ルキアは屈託のない笑顔を恋次に向けた。
「私はルキアだ。宜しくな恋次」
「………」
恋次は何も応えずただ白哉の後ろへと隠れただけで何も云わなかった。
朝食が運ばれてきても恋次はただそれを見ているだけで全く食べようとしない。
何故食べ無いのかと問いかけても恋次は何も応えなかった。
それからも恋次は静かに部屋の隅で縮こまって居て、どんなに話しかけても反応しなかった。