駄文

□貴方の側に
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日差しの暖かい昼下がり

「おーい、!理吉!早くパスパス!!」

「は、はい!恋次さん!」

外から聞こえる元気な声。

「いくぜぇー!」

バシュッ!!

ゴールにシュートが決まった。
…あーあ、と落胆の声が幾つかちらほらと聞こえてくる。

「やったぜ!!俺達の勝ちだな!!」

へっへーんと恋次は自慢気に笑う。

「やりましたね恋次さん!」

理吉も嬉しそうに恋次に話しかける。

「おう!」

ニカッ、っと恋次は屈託の無い笑顔を浮かべた。

「お、もうこんな時間か!早く隊長のとこに帰らねぇと…」

ふと、恋次は怒らせるととても怖い彼の事を思い出す。

「また、やろーなー」

恋次は手を振りながら隊舍へと走り出す。



「すみません隊長!遅れました!!」

恋次は隊長室の持ち主、中央に居る白哉にそう云った。

「…気にするな」

白哉は目も上げずにそう云い書類に目を通し続ける。

「はい…」

恋次は少し落ち込みながら自身の席に座り書類を片付け始めた。

………。

いつもこの人は俺の事を見てくれない。
何故だか、いつも視線を合わせはくれない。
それは、何だか悲しい、
いつもそう、
彼は自分の事を見てくれない
自分なんかよりも、
ずっと遠くを眺めてる。
こっちを向いて欲しくて
でも、
遠すぎて、
声すらも…
届かない。


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