駄文
□私の側へ
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白哉は隊舍から外を眺めていた。
「……理吉ー!…パスパス!」
遠くから聞こえてくる元気で楽しそうな声。
「やったぜ!俺…の勝ちだな!」
ゴールが決まり嬉しそうにはしゃぐ声。
仲間と肩を組み大喜びして騒ぐ姿。
……。
愛しく想う彼の姿。
仲間とはしゃぎ、喜び、笑う姿。
普段、自身には見せない屈託の無い笑顔。
それを愛しく思い。
そして、それを向けられる者が妬ましい。
そんな己に嫌気が差す。
ずっと見て居たいだなんて
ずっと側に居たいだなんて
自分一人のものであって欲しいだなんて
想ってはいけない。
ある訳がない…
そう、自身に云い聞かせる。
隊舍に向かって走って来る彼の姿を見て自身もいつもの位置へと戻った。