長編駄文

□Today red,tomorrow dead.
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「白哉さーん!ルキアー!」

家へたどり着いた恋次は玄関から中へ入り二人を探した。

「白哉さん…ルキア…」

家の中には二人の姿どころか家に置いて在った物全てが消えていた。

「……白哉さん」

「だから云っただろ、帰って来ないって」

振り返るとそこには何時にもまして不機嫌そうな一護がいた。

「なんで、…なんでだよ!なんで白哉さんもルキアもどっかいっちまったんだよ…」

恋次は俯いてぎゅっと拳を震わせた。

「…事故だよ」

一護は面倒臭そうに、酷く不機嫌そうに口を開いた。

「事故?」

「そう、交通事故」

一護は小さく「白哉がな」と付け足した。

「誰が…事故、だって?」

恋次は目を丸くして驚いた。

「白哉が交通事故で車に引かれたんだよ
お前が俺の所に来た日の朝
白哉は学校に来る途中で交通事故にあったんだ」

「………」

「それでルキアは白哉の看病するからってお前を俺の所に預けたんだ」

「なら、おかしいだろ…なんで俺にだけ教えてくんないんだよ」

「ルキアも白哉もお前に心配掛けたく無かったんだと」

そう云って一護は恋次から目を反らした。

「なぁ、白哉さんは?」

「……恋次」

恋次は一護をじっと見た。

「白哉さんは何処?」

「………」

「白哉さんは何処に居るんだ…?」

「知らねーよ」

一護はバツが悪そうに頭を掻いた。

「嘘だ、お前知ってんだろ白哉さんが何処に居るのか」

「知らねぇ」

「白哉さんの居る所教えろよ」

「だから知らねぇ」

「嘘だ、教えろよ白哉さんは何処に居るんだ?病院か?それに家の家具が一式無くなってるのもなんでだよ!」

恋次は泣きそうになりながら一護に聞いた。

「………からだよ」

「なんだよ」

「死んだんだよ」

「誰、が…」

「白哉は死んだんだ、交通事故でな」

「…そんなの嘘だ…白哉さんが死んだなんて…嘘だ…」

恋次はしゃがみ頭を抱えて大きく首を横に振った。

「嘘じゃねぇよ、だからルキアはこの家から離れて他の所に住んで、お前を俺の所に預けたんだ」

「嫌だ…嫌だよ、白哉さん…俺、まだ白哉さんと一緒が良いよ…白哉さん…」

「良いか、恋次今日からお前は俺の家の犬だ、白哉のことは考えるな…良いな」

一護は恋次の頭を優しく撫でた。

「………」

「帰るぞ、俺ん家に」

一護は動こうとしない恋次を抱えて白哉の家を出た。


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