長編駄文
□Love laughs at distance.
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何度も体調を崩したり、不良等に乱暴をされかけたり
辛いことも多かったが恋次にとって何より辛いのは白哉が帰って来ないこと。
白哉に二度と逢えないことの方が何倍も辛かった。
ルキアと白哉が消えたあの日から、既に四年が経っていた。
恋次は一護の背も追い越すほど大きく成長していた。
それでも相変わらず白哉を待つと云う意思は変わっていなかった。
その年の冬は良く冷えた寒い冬だった。
その為か、恋次は風邪が中々治らないで居た。
「…白哉さん」
恋次は小さく白哉の名を呼ぶ。
「俺、大人になったんだ、もう二十歳だ。背だって一護より高いんだ、凄いでしょ?」
恋次は蚊の鳴く様な小さな声で「…早く帰って来て」と呟いた。
冬の夜は早く、午後八時だと云うのにも関わらず真っ暗になっていた。
「あんたこんな夜遅くに何してんだい?」
後ろから男性の声が聞こえた。
「………」
「こんな時間に一人歩きは危ないぞぉ」
「………」
どうやらフラフラと歩いて居る様子を見る限り
その男性は酔っ払っている様だ。
「なぁおい聞いてんのか?」
男性は近付いて来て恋次の顔を覗き込んで来た。