長編駄文

□He doubles his gift who gives in time.
2ページ/3ページ



恋次は一護の姿が見えなくなってから口を開いた。

「白哉さん」

「なんだ」

「俺、約束護ったよ」

「ああ、待って居てくれて有り難う」

白哉は優しく恋次の頭を撫でた。

「お前との約束があったからこそ傷を治し、辛いリハビリにも耐え此処へ来たのだ」

白哉は微笑み、恋次を抱き締めた。

「愛しているよ恋次、誰よりも、何よりも」

「俺だって、白哉さんが大好きですよ」

「そうだな…私がお前にした約束があったな…なんだったか、恋次」

約束のことを覚えているにも関わらずわざと恋次に聞いた。

「ええ!?お、覚えてたんですかあれ!」

「覚えて居るさ、あの頃…お前はまだ小さな子供だったな」

白哉は昔を思い出して懐かしげに笑った。

「い、云うんですか…?」

「聞きたい」

「…俺が大人に、なったら…なったら…」

恋次は恥ずかしいのか耳まで真っ赤になっている。

「恋次」

「お、俺…俺と…」

「恋次?」

「うぅ…だってコレ約束した時って俺まだ何も知らない子供の頃ですよ…?」

「そのまま云うんだ」

「でも…」

「私はそのままの言葉が聞きたい」

「…えと…その…"俺が大人になったら、俺と…結婚して下さ、い"」

恋次は今にも消え入りそうなくらいに小さな声でそう云った。

「勿論だ、良く云えたな恋次」

白哉は恋次に優しくキスをした。

「愛している」

「俺も…愛してる」

嬉しそうに恋次は笑った。

「ずっと、側に居て下さいね」

「ああ、もう何処にも行かぬ」

そう云って白哉は優しく恋次を抱き締めて、何度も恋次にキスをした。




「…冷えて来たな、そろそろ家に帰ろうか」

「はい!」


二人は手を繋ぎ家へと脚を運ぶ。




飼い主との約束を護った犬と
その主人は何時までも互いを思い遣り
毎日を幸せに過ごしている。


今日も駅には主人を待つ犬が居るかもしれない。



END




















『He doubles his gift who gives in time.』
(よい時に与える者は贈り物を二倍にする)

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ