長編駄文

□A precipice in front,a wolf behind.
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「はいもしもし「白哉だ、至急こちらに来い」ちょ!待てよ白哉!お前急に云われても「良いから来い!」…わーったよ「では切る」つーか今お前ど「夜一にでも聞け」ふざけん…っ!」

ブツッと電話を切った白哉はケータイをポケットに仕舞い走ることに集中した。

「ごしゅじんさま!おれおいてって!つかまっちゃうよ!あいぜんさまはこわいんだよ!」

恋次は半泣き状態で白哉に訴えた。

「景厳…よりもか」

「う、うん」

質問の意図が分からず恋次は戸惑いながら頷いた。

「では、大丈夫だ」

「え?」

「私の方が怖い」

そう云った白哉は微笑んでいた。

「安心しろ、恋次」

白哉が後ろを確認すると十メートルほど後ろに要と呼ばれた男とそれに少し遅れて白い男が着いてきていた。

それを見ながら白哉は全速力で走ったのはいつ以来だろうか、と考えたが思い出せなかった。
どうやら随分と昔の話だと判断した時、前から足音が聞こえ顔を上げた。

「こんな夜中に何をしている」

それの足音の持ち主は景厳だった。白哉は目を見開き驚いた。

「お前…何故」

「何時もの様に素振りをしていたら子供の大声が聞こえてな、気になって来てみたのだ」

景厳は白哉とすれ違い彼を追う二人に立ち向かって行った。

「夜中に子供を追いかけ回すなど、大人がすることではないな」

そう云い放つと同時に手に持っている木刀を振った。
要はそれを避け、景厳から距離をとった。

「貴様…何者だ」

「俺は…千本桜景厳!友を傷付ける輩は許さぬ!」

「…っ!市丸!奴を追え」

「了解〜」

市丸と呼ばれた白い男は景厳を避けて白哉と恋次を追った。


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