長編駄文

□A precipice in front,a wolf behind.
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白哉は長い間全力で走っていたため流石に疲れて速度が落ちていた。

「くっ…」

このままでは遅かれ早かれ追い付かれるだろうと白哉は思った。

「早く来ぬか…あのうつけ!」

「おや、疲れとるみたいやね、大丈夫?」

市丸は不気味に笑いながら後を追ってきていた。

「貴様に心配されるほど落ちぶれてはおらぬわ」
「そぉ?じゃ、本気を出しても大丈夫そやねぇ」

にんまりと市丸が笑ったその時。

「正義の味方参上ーっ!!」

頭上から男の大声が聞こえた。
市丸はその声に反応して後ろに飛び退いた。そして先ほど市丸が居た場所には一人の男が立っていた。

「遅いぞ…志波海燕」

白哉は海燕を呆れた表情をして睨み付けた。

「んだとコラ白哉!急に俺のこと呼んどいてなんだその態度は!少しは俺を労え!」

「喧しい…普段から『困った時はいつでも呼べ』と声高に叫んで居るではないか」

「それとこれとは話が別!久々に早く家に帰ってガンジュと遊んでやってたのに!」

「黙れ、これだから税金泥棒等と罵られるのだうつけ」

「テメェ!年上を少しは敬うってことを知らねぇのか!ムカつくクソガキだな畜生!」

「喧しいと云っているのが聞こえぬのか、近所迷惑だ」

「だぁぁぁぁうぜぇぇぇぇぇ!!!何こいつ!!折角助けに来てやったのにその反応最悪だろこらぁ!」

二人のやり取りを恋次はひたすら心配そうに眺め、市丸は若干呆れた表情をして眺めていた。

「無駄口を叩く位なら働け税金泥棒」

「うるせぇクソガキ!」

「…で?あんさんはどちら様?」

市丸は首を傾げながら海燕に問い掛けた。

「あ、俺?俺はなぁ」

海燕はニヤリと笑った。

「俺はこの地域の善良なお巡りさんだぜ!」

云った途端市丸に飛び掛かった。白哉はその様子を見届けつつその場から離れた。


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