お題

□腹黒君にびびる彼女のセリフ5題
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4.それ全く冗談になってないから!


白恋



とある昼下がり。


「おーい理吉ーフットボールやろーぜ」


恋次が理吉に声を掛けると


「あ、はーい勿論です恋次さん」


理吉は笑顔で応えた。


「いつものメンバー集めて来てくんないか?」


「はいっ!」


理吉は直ぐ様メンバーの声掛けに走った。


「よっしゃー!!行くぜーっ!!」


恋次は理吉や他のメンバーに声を掛けボールを蹴り走り出す。


「ほら理吉パス!」


恋次はそう云い理吉にパスを回す。


「はい!恋次さん!」


理吉はそれを上手く受け取りシュートを決める。

ガン!


「あ〜惜しいっ!」


「よし、次だ次!」


ワイワイと六番隊のメンバーで仲良くフットボールをしていた。


「…………」


白哉はその様子を少し離れた所で眉間に皺を寄せとても不機嫌そうに眺めていた。


フットボールをしているとボールが白哉の元へと向かったので皆が白哉の存在に気が付いた。


「あ…こんな所でどうしたんですか隊長」


そう声を掛けたのは恋次。
恋次に話し掛けられた白哉の表情は先程までの不機嫌そうなものではなく、随分と穏やかなものだった。


「いや…随分と楽しそうにして居るな」


「結構楽しいんですよ」


嬉しそうに笑う恋次を見て白哉の顔も自然と緩む。


「そうか」


そんな白哉を見て恋次は尚嬉しそうに


「隊長もやってみます?」


と云った直後。


「…あーでも貴族ってこんなことして遊びませんよね…」


としょんぼりと項垂れて小さく云った。


「…私は構わぬが…」


白哉的には恋次の楽しそうな顔が今以上に近くで見れる訳で拒否する気は毛頭無い。


「良いんっす!隊長がやりたくもないのに無理に付き合ってもらっても悪いですから…冗談ってことで聞き流しちゃって下さい!」


「…ああ」


白哉的には多少残念ではあるが恋次にこれ以上気を遣わせる訳にもいかないので白哉は恋次の云ったことに頷いた。


「よっし次行くぞー!」


恋次は理吉達の元へ駆け寄る。


「恋次さーん早くー!」


理吉は嬉しそうに恋次に向かって手を振る。


「おーう!!」


フットボールが再開されてワイワイと皆楽しそうに走り回っていた。


「………」


その様子をやはり白哉は不機嫌そうに見詰めていた。
…結局のところ自分も恋次と一緒にフットボールをしたいらしい。

それでも白哉は恋次が楽しそうにしているのは嬉しいのでそのまま眺め続けていると


「あっ!」


一際大きな声が上がり何事かと理解した次の瞬間には白哉の姿は其処には無くフットボールのコート内に在った。


「…大丈夫か」


「え、あ…はっはい!大丈夫です…」


何があったのかと云えば、一人の隊員が蹴ったボールが違う方向を見ていて気付いていなかった恋次の顔面に向かっていたところを白哉が弾いたのだった。

ちなみに隊員に悪意は無く、事故だ。


「あ、有り難う…御座い、ます」


「気にするな」


「…今、恋次に向けてボールを蹴った者…錆びにしてくれる…」


そう云った白哉の目は酷く殺気立っていた。


(全く冗談になってねぇ!!!!!)


直感で殺される!!とボールを蹴った隊員は直ぐ様名乗り出て土下座をして謝った。









その隊員は恋次が「わざとじゃないから許してあげて下さい」と云ったのでその隊員は千本桜の錆びにならなくて済んだらしい。


END

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