ぬっるいBL
□ロイウォル
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「なあウォルト、ちょっといいかな?」
目の前でゆらゆら揺れる緑髪の臣下に声をかけると、
「どうしました?ロイ様」
くるりと振り向き、少し笑う
うーん、やっぱり可愛い
とは言え、今は任務中だから、抱き締めたいのを必死に堪えるしかない
とりあえず凛々しい顔を作り(実際どうなってるのか分からないけど)、ウォルトに用を申し付ける
「後方の皆に、勝利を伝えてきてくれ」
「はい、承知しました」
返事をした後、ウォルトが駆け出そうとして、ふと足を止め振り返った
ヤバい、内心を気取られたか?
と思ったが、それは杞憂で
「ロイ様、お言葉ですが…。私よりも、ランス様たちの方が早く着けると思うのですが」
ああ、確かにそうだ
ウォルトしか頭になかった
「流石ウォルトだなぁ。よし、ランス達に頼んでこよう」
「ロイ様、私がランス様たちに…」
なるべく、僕の手間を省こうとしてくれているのだろう、その気遣いに感謝し、それに甘えようと思ったが、一つ思い付いたことがある
「な、ウォルト。後方まで一緒に行かないか?」
「え?ロイ様、お自ら後方まで?…しかし、制圧地点での指揮を取らなければならないのでは…?」
うわ、それがあったか
後方まで一緒に行けば、自然と会話できると思ったのだけれど
困ったなぁ、と頭を捻らせているうちに、ウォルトはクスクスと笑いだした
「ウォルト?」
「あ、いえ…すみません。ロイ様、貴方がお暇なときに、いつでも呼んでください。私は、可能な限り貴方を優先しますから」
そう言うと、ウォルトはランスの元へ駆け出した
よく分からないまま、その言葉を反芻して、やっと理解する
「よーっし!!さっさと片付けて、ウォルトを呼びつけるぞ!!」
心機一転
その言葉がふさわしいだろう
僕は、今までにない早さでやることをこなし、終わり次第、食事中のウォルトに抱きついたのだった
(ロ、ロイ様……食べにくいのですg)
(じゃあ、僕が食べさせてあげる!!)